※本コラムは2022年7月時点の情報です。感染者数やワクチンについては日々アップデートされていますので、正確な情報は厚生労働省や各自治体のサイトをご確認ください。
6月終わりから急激に増加している新型コロナウィルスの感染者数。全国の感染者数1万人以下だったのが、あっという間に10倍の11万人を超える勢いです。(2022年7月16日時点) 感染者数増加の原因はいくつか挙げられていますが、これまでのワクチン接種の効果の低下、実際感染した後の免疫が低下してきたこと、行動制限緩和に伴う人流増加、そして感染力が高い新たな変異株「BA.5」の影響が大きいとされています。 参考までに、東京オリンピックが開催された2021年7月23日の全国の感染者数は、約4,200人でした。同じ7月でこれほど違いがあるのは、当時はまだワクチン接種の機会が少ないにも関わらず、行動規制があり、オミクロン株が主流ではなかったことが背景にあるのではないでしょうか。 感染者数は、そのときどきの状況によって大きく影響するので、基本的な感染対策を常に意識することが必要です。 ※画像はイメージです 第6波に主流だった「BA.2」と同様に、「BA.5」はオミクロン株の変異種のひとつです。2022年7月に、WHO世界保健機関は新規の新型コロナウィルスの感染者数が「BA.4」「BA.5」が主流である、ということを発表。 アメリカでは、「BA.4」と「BA.5」が新規感染者数の70%であるということを、CDC(アメリカ疾病対策センター)が発表しています。 また日本では、「BA.5」が主流です。「BA.5」は感染力が強くワクチンが効きにくい一方、重症化リスクは低いといわれています。しかし、ウィルスが肺の中で増殖しやすいという研究結果(※)もあり、特に基礎疾患がある方は注意が必要です。 BA.5による症状は「発熱」「喉の痛みや腫れ」「咳」「倦怠感」が挙げられますが、症状が出ない「無症状」が多いのも特徴です。家族や職場で感染者が出て、濃厚接触者としてPCR検査や抗原抗体検査を実施したら、症状がないのに「陽性」と判定されることも。症状がないから人にうつさない、ということはなく、自分が感染源になるかもしれないリスクは常に念頭におくことが必要です。 また、無症状であっても療養期間が設けられており、職場や学校の出勤や登校ができなくなります。(濃厚接触者も同様です)有症状と無症状時の療養や待機期間は自治体から発表されているので、いざという時のためにも、お住まいの自治体のホームページを確認、もしくはリンクをブックマークすることをおすすめします。 新型コロナウィルス感染症は一度罹っても、インフルエンザと同様に再感染します。特にBA.5は、BA.2などの過去に流行したオミクロン株よりも免疫を回避しやすいことから、「以前コロナに罹って、免疫があるから大丈夫」ということはありません。 コロナに罹った人も、症状がどうあれ再度感染する可能性はゼロではないので、日頃からの感染対策は引き続き行わなければなりません。 現在、BA.5を含めたオミクロン株に対して効果が高いワクチンの製造開発を進めています。 しかし、BA.5に効果があるワクチンはいつ完成され、認可が下り、生産~日本に輸入されるかどうか不確定です。現在実施しているワクチンを打たなければ、重症化リスクは避けられないので、追加接種を厚生労働省では勧めています。 ご自身の体調や基礎疾患の有無でご心配ごとがあれば、医師にワクチン接種の可否について相談してください。第7波の新型コロナウィルス感染症
BA.5とはどのような変異株なのでしょうか?
BA.5の症状について
BA.5の再感染リスク
BA.5とワクチン
2022年の梅雨は短く、6月半ばから日本各地で気温が上昇し、うだるような暑さが続いています。 30℃を超える気温(外の体感温度はそれ以上です)の中、体が暑さに慣れていない上に、マスクをしていると息苦しさで熱中症のリスクが高まります。 厚生労働省では、熱中症予防の観点から、屋外・屋内でのマスク着用について下記のように提案しています。(※) 熱中症を防ぐためにも、人との距離や会話しない状況に応じて、マスクを外すようにしましょう。 また、夏向け素材を使ったタイプや、息がしやすいタイプのマスクがあるので、状況に応じて使い分けることもおすすめです。 帰宅後や、会社や学校で共有しているもの(ドアや窓、キャビネットなど)を触った後、電車の乗り降り(手すりやつり革など)の後は、手洗いと消毒の徹底を。 人が集まり声を出すところは、できるだけ距離を保つこと。また、大声を出さないようにする。 冬は乾燥するので、換気を意識していましたが、夏はエアコンを稼働すると換気のタイミングが難しいところ。 できるだけ早朝や夕方に窓を数分間でも開けて換気を心がけてください。 窓が開けられない場合は、浴室やトイレの換気を常に付けておく、またHEPAフィルタ(高性能エアフィルター)が搭載されている空気清浄機を使用することをおすすめします。 帰省や旅行前に、安心して行動できるよう、事前検査をすることをおすすめします。 PCR等検査の無料化事業を自治体に登録済みの事業者による、無料検査を開始しています。検査を受ける場所や予約方法は、自治体のホームページをご覧ください。夏の感染対策
屋外
距離(2m以上)が確保できる
距離(2m以上)が確保できない
会話をする
マスク不要
マスク着用推奨
会話がほとんどない
マスク不要
例)ランニングなどの運動マスク不要
例)屋外で人とすれ違う程度
※引用:厚生労働省「屋外・屋内の着用について」
屋内
距離(2m以上)が確保できる
距離(2m以上)が確保できない
会話をする
マスク着用推奨
マスク着用推奨
会話がほとんどない
マスク不要
例)図書館や芸術鑑賞などマスク着用推奨
例)通勤電車の中など手洗い・消毒
密を避ける
換気の徹底
検査の活用
また、旅行先で発熱や体調不良になった時に、保険証はもちろんその土地の保健所や救急医療センターなどの情報を事前に把握しておきましょう。
熱中症と感染対策
7月4日~7月10日に熱中症の症状で救急搬送されたのは全国で5,744人(※)前年と比べて倍以上の人数で増加しています。
引用:総務省消防庁 熱中症情報
熱中症の症状は外気の気温上昇と湿度上昇に伴い、体温が上がり体内の温度調整、水分、塩分のバランスが取れなくなり、めまい、頭痛、立ち眩み、重度になると意識障害をおこす怖い病気です。
日頃から暑さを避け体温を下げる、特に首まわりは首の付け根は太い血管が流れているので、積極的に首元を冷やすことで血液の温度上昇を防ぐことができ、効率的に体を冷やすことができるでしょう。また、温度だけではなく湿度も重要です。
水分補給は簡単そうにも思えますが、実は注意が必要です。
・コーヒーや緑茶のようなカフェインを含む飲料は、利尿作用があるので体内からすぐ排出されてしまう。
・スポーツ飲料は、体内に必要なイオンやミネラルを補給できる一方、糖質が多い。
・水だけを飲んでも、ミネラルが足りなくなるので、塩飴や塩タブレットなど(塩ひとつまみでも可)を補給する。
・朝ごはん抜きは厳禁。食べ物には水分が含まれています。水分補給だけではなく朝にエネルギーを蓄えて体力を温存するためにも、3食バランスよく水分を補給する。
「屋内にいるから」「水分を摂取しているから」大丈夫、と思ってしまいますが、実はエアコン下でも体温は上がっていたままで、体内温度や塩分コントロールができていないと、頭痛と吐き気などの症状が出ることも。
まさか部屋の中でエアコンをつけているのに熱中症とは、思いもよりませんよね。熱中症のリスクは毎年高まっていることから、日頃からご自身の体温と体調管理が大切です。
またエアコンを常時付けたままにすると、冷房病(クーラー病)を引き起こす可能性があります。冷房病は、自律神経のバランスが崩れて、体内調節や発汗コントロールができなくなり、朝起きたら体の冷えから体内温度が下がって、手足の冷えやのどの痛み、頭痛、発熱、だるさを感じます。
コロナの症状に似ていることから、勘違いしやすいため注意が必要です。就寝時はタイマーやドライ設定にするなど、エアコンを使い分けるようにして、熱中症と冷房病を防ぐこと。
また、何より急な暑さや寒さに体が調整できるような体力づくりをこころがけましょう。
小さなお子様も、感染対策と熱中症対策のケアが必要で、特に保育の現場では遊具の消毒、換気、園児の手洗いを徹底させて感染の警戒を強めています。 BA.5は子供にも感染しやすく、発熱や咳の症状がみられます。子供はなかなか症状を訴えることができないこと、また無症状だと、家庭内感染や保育所や幼稚園での感染拡大につながるので、常に手洗いや消毒を徹底、マスクは必要に応じて付けさせるようにして、基本の対策は心がけるようにしましょう。 子供は体内の温度調整がうまくできません。また熱中症の症状を正確に訴えることができないので、大人よりも熱中症のリスクが高いようです。 子供は背が小さいので、大人よりも地熱を受けやすく、地面の照り返しも大きく影響します。 さらに遊びに夢中になると、水分補給も大人のように積極的に摂取できないので、熱中症にならないように常に大人が気を遣ってあげてください。
・帽子をかぶる小さなお子様のケア
子供と熱中症
基本の熱中症対策
・水分補給を行う
・車の中や屋内では長時間一人にしない
・屋外での遊び、散歩する時は夕方にするか、こまめに日陰を選ぶ
・良質な睡眠、3食しっかり食べさせる
・ベビーカーは熱がこもりやすいので、日よけだけではなく保冷剤をタオルに巻いてセットする
感染者数が減少し、行動制限が緩和されて、今年の夏休みこそ、旅行や友人・遠くに住む家族とようやく会えることができるはずだったのに、変異株による感染拡大。 これまでの第6波までのように行動が制限されないとなると、各自でしっかり基本の感染対策を行うことが重要です。
・屋内や公共交通機関でのマスク着用 コロナがゼロになることは難しく、これからも「ウィズコロナ」と向き合っていかなければなりません。 重症化リスクを抑え、医療現場をひっ迫させず、経済活動のバランスを図るためにも、この夏も熱中症を予防しながら、一人ひとりの基本の感染対策を徹底しましょう。今一度基本の対策を
・換気の徹底
・エアロゾル感染防止
・密を避ける
・ワクチン接種の検討
・無料の抗原抗体/PCR検査の活用
夏は乾燥しにくいですが換気をしましょう。夏はエアコンの稼働時期だと思いますのでトイレや浴室の換気をつけておくのも良いです。 必要に応じて着用を推奨しております。 屋外でも会話をする場合2m以上の距離を確保出来ない場合マスク着用推奨となります。詳しくは厚生労働省ホームページの情報をご確認ください。よくある質問
夏の感染対策どうすれば?
夏でも感染対策にマスクは必要?