インフルエンザとは
インフルエンザとはインフルエンザウイルスA型またはB型が原因の気道感染症です。日本では毎年冬の時期に流行し、11~3月にピークを迎え、冬にA型、春先B型が流行する傾向です。症状は発熱、筋肉痛、関節痛、倦怠感が挙げられ、風邪と似た症状と思われますが、症状はインフルエンザの方がはるかに重く、合併症のリスクがあるため、流行前の秋口から予防接種を各病院や自治体で実施しています。

2020~2021年は新型コロナウィルス感染症の流行下、感染対策や外出制限・自粛、マスク着用の影響でインフルエンザに患者数が減っていましたが、2022年以降は増加傾向です。これはインフルエンザに対する集団免疫が弱くなってきたことや外出自粛やマスク着用の緩和も理由として挙げられています。
インフルエンザに罹患したら、周囲に感染してしまう恐れがあるため通学や通勤は制限されます。治療中どのように過ごせばよいのでしょうか。ここでは主に食事についてご紹介します。
インフルエンザにかかったときの食事のポイント
「インフルエンザかな?」と思ったら、まず病院で検査を行って診察を受けます。結果が陽性、すなわちインフルエンザと診断されたら、治療薬を処方してもらいます。熱が下がり症状が落ち着いてきても数日間は安静が第一ですが、発熱により体内のエネルギーや栄養分が失われており、これらを食から補う必要があるにも関わらず、どうしても罹患中は食欲が低下してしまいます。ではインフルエンザ中はどのように食事を摂取すればよいのでしょうか。
食事と水分補給の重要性

インフルエンザ罹患中だけではなく風邪の時でも、食事や水分の摂取は重要です。先述のとおり、体内にインフルエンザウイルスが入ってくると、異物であるウイルスを追いやるために体内のエネルギーや栄養分を多く消費するので、食事をとって消費された栄養分を補給することが重要です。また薬を服用の際も食前食後に指定されていることがあるので、効果的に薬を作用させるためにも朝昼晩の3食を摂るようにしてください。
水分についても同様です。高熱により体内の水分が外へ出てしまうので、水分補給が必要です。食事が思うように撮れないようなら、ミネラルや糖分を含むスポーツ飲料や経口補水液を代用するのもよいでしょう。ただし糖分の摂りすぎには注意が必要です。
どういった食べ物がよいでしょうか?
食事は口当たりのよいもの、消化によいものを摂取しましょう。口当たりがよいのはゼリーやヨーグルト。特にゼリー飲料は栄養に特化した製品が多くあるので、いくつか冷蔵庫に入れておくことをおすすめします。またリンゴはカルシウム、マグネシウム、ビタミンC、カリウム、リン、クエン酸、食物繊維が含み、水分もたっぷりあるので、すりおろして食べるとよいしょう。特にすりおろしりんごは口当たりがよく、カットしたものより食べやすい点からもおすすめです。

お粥やうどんも食べやすく、お米やうどんの原料である小麦粉に含まれる炭水化物は身体のエネルギーの素になります。卵やしらすをとじると、たんぱく質やカルシウムも併せて摂取できます。
インフルエンザ患者が食べてはいけない食事とは
一方、インフルエンザに罹った時に避けるべき食事とは、どのようなものが挙げられるのでしょうか?「食欲が落ちているけど、普段からの好物なら口にできるかも?」と思っても、食べてはいけない(避けた方がよい)ものがあります。
胃腸に負担をかけない
インフルエンザにかかっている時は胃腸に負担がかかるものや刺激が食べ物は控えるようにしましょう。 口から摂取したものは食道を通じて胃や腸で消化して、栄養素を体内に取り込みます。揚げ物や脂質を多く含む食事は、胃にとどまる時間が長くなり、胃のぜん動運動が遅くなってきます。

最終的には小腸へなかなか移動しないまま滞留すると胃もたれの原因に繋がってしまいます。また、アルコールはもちろん、香辛料が効いた食べ物、塩分や酸味のあるもの、カフェインを含む飲料も胃腸への刺激があるので控えるべきです。

特にエネルギーを蓄えようとして、「エナジードリンク」の大量摂取は禁物です。というのもエナジードリンクはカフェインを多く含んでいるので、体が弱っている時には摂取しないようにしましょう。エナジ―ドリンクよりもレモネードや前述のすりおろしリンゴのような素材そのものを摂取した方が身体に負担をかけることなく過ごせます。
回復期や解熱後に摂るべき食事
安静にし、処方された薬を正しく服用しているうちに、熱が下がり、徐々に体調が戻ってきます。熱が下がるだけでも体調が良くなってきたと感じられると思いますが、普段どおりの食事には戻さず、少しずつ身体を慣らすように、引き続き消化のよい食べ物、栄養バランスを考えた食事を摂るように心がけましょう。例えばお粥、うどん、湯豆腐、ポタージュスープのような消化しやすい食事がおすすめです。一人暮らしで食事を用意するのが手間だと思ったら、スーパーやコンビニエンスストアでレトルトパウチのお粥や冷凍のうどんを利用するとよいでしょう。

インフルエンザ予防に効果的な食べ物とは?
これまでインフルエンザに罹った時の食事についてご紹介しましたが、そもそもインフルエンザ予防に効果的な食事とはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
ウイルスに負けない栄養素の摂り方
インフルエンザや風邪を予防するには、ウイルスに対して抵抗力を高めることが重要です。抵抗力を高めるには、栄養バランスを意識した食事です。インフルエンザや風邪の流行は秋から冬、そして春先まで続います。冬は寒く屋外での活動を控えがちなので、筋力が低下しやすい季節です。そのためにもしっかり食事から栄養分を摂取して、ウイルスに負けない体づくりを心がけましょう。
ビタミンC

ウイルスへの抵抗力を高めるためにビタミンCは有効です。ビタミンCが多く含まれる食品としては下記が挙げられます。ビタミンCは体内生成できないので、食べ物、飲料、サプリ等で摂取しなければなりません。
| ビタミンCを含む食品 | イチゴ、キウイ、アセロラ、柑橘類、ブロッコリー、ジャガイモ、緑黄色野菜 |
|---|
ビタミンCは抵抗力を高めるほかにも、コラーゲン生成や鉄分の吸収に欠かせない栄養素です。一般的に成人の場合、1日あたり推奨量が100mg(2020年版食事摂取基準)と設定されています。例えばイチゴ可食部100gあたりビタミンC62mgが含まれており、1粒が約15gとして約10粒食べれば一日の摂取量を満たすことになります。熱に弱いので生食で摂取できるフルーツは優秀といえるでしょう。
ビタミンA
ビタミンAは動物性食品に含まれるレチノール、植物性食品に含まれるカロテンがあります。特にカロテンは免疫力を高めるは働きがあります。

| 動物性食品(レチノール) | たまご、レバー、牛乳、バター、チーズなど |
|---|---|
| 植物性食品(カロテン) | 人参、小松菜、かぼちゃ、ほうれん草、ピーマンなど |
- 参考までに、2000年の11月改定の日本食品標準成分表から「カロチン」から「カロテン」に統一されたので、最近では「カロテン」と呼ぶようになりました。似た例として、トマトに含まれる「リコピン」が農水省の表記にならって「リコペン」と呼んでいます。
ビタミンAはとり過ぎによる過剰症は危険を伴います。なにごとも偏った食生活よりもバランスよく適正量を守って栄養を取り入れるように心がけましょう。
たんぱく質の重要性と摂取方法
インフルエンザを予防するのにビタミンA,C以外に大切な栄養素として挙げられるのが「たんぱく質」です。たんぱく質は筋肉や臓器など体の構成に必要不可欠なもの。免疫物質としての機能も担っています。インフルエンザだけではなく風邪やその他病気に打ち勝つための抗体を作る作用があるので重要であることが理解できます。
たんぱく質は肉、魚介、卵、乳類、豆腐、穀類など幅広い食品に含まれています。たんぱく質の1日の摂取基準量として成人男性が65g、成人女性が50ℊとされています。例えばゆで卵1個のたんぱく質が12.5g、牛乳1杯(200ml)に含まれるたんぱく質は3.3gです。日ごろから牛乳やヨーグルト、卵を朝食に取り入れ、肉に偏らず、魚や豆腐を取り入れて偏りがないバランスのよい食事を摂取するようにしましょう。

そして、インフルエンザの予防は栄養を摂取して免疫力を高めるほかにも、ワクチン接種、手洗いや手指消毒、マスク、室内の湿度調整など、ウイルスを寄せつけないための予防も忘れずに行いましょう。

まとめ:インフルエンザにかかったときの食事のポイント
いかがでしたか?毎年秋から春にかけて猛威をふるうインフルエンザ。新型コロナウィルス感染症により、一時的にインフルエンザの流行は抑制されましたが、2022年以降増加しており、今後も同じ傾向が続くでしょう。インフルエンザにかかった時は、まずは安静にすること。そして消化のよい食事と処方された薬を最後まで服用することが回復の第一歩です。消化の悪い脂ものや刺激の強い香辛料やカフェインを食べないように、そして飲酒や喫煙を控えるようにしましょう。

インフルエンザウイルスだけではなく、風邪や病気にかからないよう、免疫力を高める食事を見直してみませんか?。
よくある質問
インフルエンザにかかった時に、食べてはいけないものは?
消化に影響する食べ物は避けましょう。脂肪が多いもの、油で揚げたもの、ラーメンなど。また胃酸の分泌を高める唐辛子やこしょう、塩分が高いもの、酸味が強いもの、またアルコールやカフェインを含む飲料も胃腸に負担がかかります。
インフルエンザは一度かかったら、その後は感染しませんか?
インフルエンザのウイルスは数種類あるので、あるウイルスに感染して発症しても、同じシーズンに別のウイルスに感染して発症する場合があります。インフルエンザの流行シーズンを乗り切るために予防接種をうけて抗体をつくること、また免疫力をつけることが望ましいでしょう。
