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ハンドクリームを塗ったのに手荒れが治らない?【手湿疹やあかぎれの原因と対処法】

目次

手指は手袋をしない限り、ほぼ365日外部(外気)に露出しています。そのため季節を問わず、手荒れに悩まれる方は少なくありません。
「しっかりハンドケアしているのに、なかなか手荒れが治らない!なぜ?」とお困りの方も多いでしょう。そこで手荒れを防ぐために、冬の乾燥シーズンだけではなく、しっかりとしたハンドケアを行えるように、いくつかポイントを紹介します。

手が荒れる原因と症状

一言で「手荒れ」といっても、その症状はさまざまです。

「香りがよさそうだから」「クチコミサイトやSNSで取り上げられているから」「ドラッグストアで安かったから」等、症状を理解しないままハンドクリームを選んでしまうと余計に症状が悪化する場合があります。

まずはご自身の症状とその原因を理解することが重要です。

乾燥が原因のひび割れ・あかぎれ

ゴミ袋やスーパーのビニール袋が開きにくくなったという経験はありませんか?

ビニール袋が滑って開きづらいのは、乾燥により手指の皮脂が奪われているのが原因です。乾燥が酷くなると、皮膚に亀裂が入ってしまう「ひび割れ」という症状が起こります。

ひび割れがどんどん悪化し亀裂が増すと、皮膚が赤身を帯び、出血してしまいます。ひび割れが悪化して出血してしまうのが「あかぎれ」です。女性の方の中には、ストッキングを履くときにひび割れやあかぎれのせいで伝線しそうになったという話も・・・。

炎症が原因のかゆみ・手湿疹

炎症が原因で手や指にかゆみが生じ、湿疹の症状があらわれます。手湿疹は別名「主婦湿疹」とも呼ばれます。

家事で料理や洗濯など水仕事の多い女性の発症が多いことから主婦湿疹と呼ばれるようになりました。主婦湿疹とは呼ばれていますが、主婦だけが家事をするのは一昔前の話です。

手湿疹の症状は、最近では男女問わず美容師や看護士、調理師など水に触れる機会の多い職業の方に広がっています。

外部からの刺激が原因のかぶれ

かぶれは「接触皮膚炎」のことを指します。「接触=化学物質など外部からの刺激」により手が炎症するのがかぶれです。手指がかぶれると赤みや、水ぶくれ、痛み、かゆみなどの症状が出ます。

かぶれを防ぐには、原因物質を取り除くことが優先です。化学物質などの原因物質に触れてしまったら速やかに手洗いしてください。

炎症が収まらない場合は医師の判断のもと、適切な治療を処方することが第一です。炎症を放置するとどんどん悪化してしまい、日常生活に支障をきたす場合があります。

手荒れを防ぐ手洗い

手洗い方法

新型コロナウィルス感染症の影響で、これまで以上に手洗いをする機会が増えてしまいました。手洗い=水に触れるので手は潤っているように見えます。しかし、実は手洗いは手が乾燥してしまう原因の一つです。

皮膚の一番表面にある角質は、保湿成分によって適度な水分を保っています。適度な水分を保つことで、角質がバリア機能で守られているのです。

手洗いなどで皮膚が水に濡れると、角質が多量の水分をスポンジのように吸収し、一時的に水分を蓄えます。しかし蓄えられた水分は、放っておくと蒸発してしまいます。

蓄えられた水分が蒸発するのと同時に、保湿成分やもともとあった角質間の水分も蒸発していきます。最終的には、水に触れる前よりも角質内の水分が減ってしまう、これが手洗いによって手が乾燥する原因です。そのため、手洗い後のケアは非常に重要なのです。

手洗いのすすぎは極力ぬるま湯を使うようにしましょう。水が冷たすぎると、水に長く触れたくないので適当に済ませてしまい、しっかり手の汚れを洗い落とせません。

一方温度が熱すぎると、手から皮脂を奪ってしまうので、より乾燥が進んでしまいます。そして、手洗い後はタオルで擦らずしっかり拭き取ります。

最近はペーパータオルの利用も増えていますが、なるべくゴワゴワしている素材より柔らかいものがおすすめです。しっかり水分を拭き取るようにしましょう。

次に石鹸。なるべく石鹸は低刺激のものをお使いください。こすりながら泡立てる固形や液体よりも泡石鹸の方が手指にやさしく洗浄剤が行き届きます。洗浄力が高いともともとの保湿成分まで洗い落としてしまいます。

感染症予防の観点で手洗いにどれくらい時間をかければよいでしょうか?

アメリカのCDC(米国疾病対策予防センター)は、手洗いしながら「ハッピーバースデー」を2回繰り返して歌うことを推奨しています。

実際測ると約30秒、長いと感じますが、手の平だけではなく手の甲、指の付け根、指先や爪の間、手首をしっかり洗うとあっという間です。ぜひ実践してみてください。

水仕事

手洗いだけが水と接するわけではありません。食器洗い、掃除、手洗い洗濯、入浴、スポーツ等々、水に触れる機会は、職業や家事炊事、日常生活・・・と様々です。

特にシャンプーや洗顔料は身体に触れるものなので、低刺激のものを選びましょう。

アミノ酸配合、ノンシリコン、無添加など、低刺激のシャンプーや洗顔料が多くあるので、髪質や肌質に合わせて選んでください。

掃除などで水に触れる時は、できるだけぬるま湯の水を使うようにしましょう。ただし水の温度をあげることができたとしても、掃除用洗剤をはじめ、すべての洗剤を低刺激にするのは限界があります。

低刺激の洗剤を選べない場合はグローブ(手袋)をして直接皮膚に触れないようにしてください。しかし、グローブをすると蒸れが発生し、素材によっては皮膚に合わない場合もあります。グローブの素材選び(ゴム、ポリプロピレン、ビニールなど)は注意が必要です。

グローブを付けたり外したりするのは面倒なので、洗い物はつけ置きにしてまとめ洗いにして、水や洗剤に触れる回数そのものを減らす工夫も良いでしょう。

手荒れを防ぐハンドクリームの塗り方

手を洗った後のハンドケアとしてはハンドクリームが有用です。さらにハンドクリームを手の甲に塗る前と塗った後で比べると、肌がワントーン明るく見えることもあります。

ハンドクリームを使って、いつまでもみずみずしく若々しい手でいたいものですね。一方で、種類がありすぎて、どれを使ったらいいかわからない方も少なくありません。

ハンドクリームは「有効成分」「塗るタイミング」「塗る量」を見極めることで、効果を最大限に発揮します。

ただし、ハンドクリームは予防であり治療ではありません。あくまでも保湿をすることで乾燥から手を守って、症状を悪化させないようにするものです。

手湿疹やかぶれ(またはその疑いがある)はハンドクリームによる治療はできません。必ず皮膚科で診察を受けて適切なクリームを処方してもらってください。

ハンドクリームの正しい塗り方

ハンドクリームのパッケージには「適量を手に取り」と記載されていることが多いようですが、適量とはどれくらいなのでしょうか?

大人子供によってもその分量は異なります。大人が適量で取ったクリームをお子様に塗ると、多すぎてしまうことも。

また伸びが良いクリームや油分が多いクリームは、べたつきが気になるからといって少量しか使わなかった場合、効果を発揮しません。

1回で使用するハンドクリームの量は、人差し指の指先から第1関節まで、手荒れがひどい場合は第2関節までが適量とされています。改めてご自身で使う量と比較してみてはいかがでしょうか。

次に、塗り方です。ハンドクリームは温めると油分が溶けて、塗りやすくなります。そしてハンドクリームを手の甲にとったら、少しずつ両手でやさしく広げていきましょう。

指の間から爪のまわりまで塗りむらや塗りそびれがないように、しっかりとクリームを行き届かせてください。

実は水分が蒸発しやすいのは面積が広い手の甲ではなく、指先。指先のささくれ(さかむけ)は潤い不足が原因のひとつです。

クリームの量が少ないと手と手の間に摩擦が生じるので、「少ないかな?」と感じたらさらにクリームを足しましょう。

ハンドクリームを塗りながらマッサージをすると、手の血行が良くなってポカポカし、冷え予防にもなります。

ハンドクリームを塗るタイミング

いつハンドクリームを塗れば良いでしょうか?ハンドクリームを塗るタイミングは、手洗い後がベストです。

先に述べたように、水洗いによりもともと手に含まれている水分が蒸発してしまうため、ハンドクリームでその蒸発を防ぐためにも手洗いの後が適しています。

しかし、油分のあるタイプだと、ハンドクリームを使った後にスマートフォンやタブレットの液晶、パソコンのキーボードを触るとべたつきを感じてしまうこともあり、毎回毎回塗るのは大変ですよね。

日常生活でハンドクリームのべたつきが気になる時は、寝る前にしっかり塗って集中ケアがおすすめです。もちろん日頃かさつきを感じたら、都度塗って保湿を心がけてください。

さらに夏になると気になるのが紫外線による日焼け。手の甲など日焼け止めを使用する場合は、先にハンドクリームで保湿をしてから日焼け止めを塗布するようにしてください。

ひどい手荒れにおすすめのハンドクリーム

症状別おすすめハンドクリーム

乾燥によるカサカサ肌

乾燥により角質層にある保湿成分が失われカサカサする手指には、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン)が入ったハンドクリームをお選びください。

大洋製薬 ワセリンHG
チューブタイプ 60g
大洋製薬 ワセリンHG チューブタイプ 60g

乾燥によるひび割れ

皮膚にひび割れ・亀裂が入っている場合は、その傷口にしっかり有効成分を浸透させ外的要因から守ることが大切です。

炎症を抑える成分(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸)やビタミンCやビタミンE、ヘパリン類似物質が入ったハンドクリームがおすすめです。

ヘパリン類似物質は保湿剤として幅広く使用されています。最近ではヘパリン類似物質が主成分の「ヘパリン類似物質油性クリーム」がドラッグストア等で見かけるようになりました。

ゴワゴワした角質

乾燥によるカサカサを放っておくと、角質が外的要因から守るために固くなってしまいます。足の踵(かかと)がカチコチに硬くなったことがありませんか?

同様に手指もゴワゴワすることがあります。手指がゴワゴワしてしまった場合は尿素配合のハンドクリームで、角質を柔らかくし正常な状態に戻すようにしましょう。

尿素はピーリング効果も期待できます。肌が柔らかくなってきたら、他の成分が入ったハンドクリームとの使い分けも大切です。

有効成分+α(アルファ)のハンドクリーム

ハンドクリームは有効成分を重視するのも必要ですが、成分の次に選ぶポイントは何でしょうか?

成分の次に選ぶポイントには、香りやテクスチャー、日中用や夜用、持ち運びできるチューブタイプから大容量のジャータイプ、さらにネイルケア兼用などありますね。

例えば日中は伸びが良く塗った後もサラサラするタイプ、夜用はしっとり油分重めのタイプを使い分ける方も多くいらっしゃいます。

香りは無香料タイプも良いですが、最近では植物由来の成分やアロマ精油が配合されて微かに香るハンドクリームが多く発売されており、香りによるリラックスやリフレッシュ効果が期待できます。

荒れた手を見るとどうしても気分が下がりやすいので、少し香りのあるハンドクリームで気持ちを落ち着かせるのも良いでしょう。

なおハンドクリームは食品と違い消費期限の記載が義務付けられていませんが、一般的に未開封は製造から3年、開封後は半年~1年で使い切ることが望ましいとされています。

毎日使う量と頻度を考えて購入を検討してください。また直射日光や高温多湿な環境を避けて保存しましょう。

高温多湿な環境は成分が変異劣化する可能性もあるので、保管場所も注意が必要です。

毎日使うものだからこそ、人工的なクリームではなくオーガニックのハンドクリームの方が安心です。

ハンドクリームとローションの違いは?

最近はポンプタイプのハンドローションも見かけるようになりました。クリームとローションの違いは何でしょうか?クリームとローションの違いは、基剤です。

クリームは油分をベースにしており、ローションは水溶性成分をベースにしています。クリームの方がしっとりしている分、伸びが悪くべたつきを感じます。

ローションはさらさらしている分、伸びは良く全身にも使えて肌なじみは良いのですが、保湿カバー力はクリームより弱いです。

実際の医療や介護の現場では、手洗いや薬剤の使用頻度が高く、またニトリルグローブなど手袋を常用することが多いので、手が荒れやすい環境です。

そのため医療従事者はいつでもどこでもハンドケアができるようローションタイプを何度も塗り直して使うことが多いようです。

スミス・アンド・ネフュー
セキューラ ML 236ml
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ベーテルプラス
ベーテル保湿ローション【各種】
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感染対策とハンドクリーム

新型コロナウィルス感染症の影響で、これまで以上に手洗いと消毒を行うようになりました。アルコールを含んだ薬剤はどうしても手指への刺激があるので、手荒れの原因になります。

放っておくと亀裂に菌が留まってしまい、手荒れ症状悪化の原因にもなりかねません。

手指消毒を行ったら、なるべくその上からハンドクリームを塗って保湿してください。withコロナ時や季節を問わず手洗いや消毒をした後はハンドケアを忘れずに行うことが、手荒れを防ぐ自然の流れになると思われます。

家庭内では刺激の少ない洗剤や消毒剤、グローブを選べますが、外では使い分けは難しいでしょう。そのため、ハンドクリームでしっかりケアすることが重要です。

まとめ

ハンドクリームは、日頃から酷使している手指をやさしくいたわるためのケアに必要なアイテムです。

手荒れ知らずのために、手洗い後や寝る前のケアは、コロナ禍の中では必須になってきました。手荒れの症状に応じた有効成分が入っているハンドクリームを選んで、正しい量と使い方をマスターしましょう。

いつまでもみずみずしい手指でお過ごしください。ハートプラスでは医療現場でも使われているハンドクリームやハンドローションを多く取り揃えています。ぜひご検討ください。

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