介護用品車いす

<そのときに慌てないために>介護用品はどこで購入する?

目次

介護は突然やってきます。親や配偶者の年齢が75歳を超えると、物忘れが増えたり、ケガや病気で入院生活が長引いたりすると、介護が必要になる可能性が高まります。介護は「いつかやってくる」ではなく、「必ずやってくる」もの。いざというときに慌てないためにも、「介護保険」「介護用品」「介護サービス」について事前に知識として理解することが必要です。特に介護用品は、生活全般をサポートする際に必要不可欠なアイテムですが、普段使うこともなければ、どこで購入しているのかわからないもの。

介護の女性

本コラムではどういった介護用品が必要か、どこで販売しているのか詳しくご紹介します。

介護は突然やってくる

内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、高齢化率(65歳以上が総人口に占める割合)は29.1%、65歳以上の人がいる世帯は全世帯の約50.6%、ほぼ半数を占めています。さらに、65歳以上の一人暮らしの者が増加傾向です。

令和6年版高齢社会白書

※参照:令和6年版高齢社会白書(全体版)よのデータより当社でグラフ作成

このように、65歳以上の一人暮らし(単独世帯)や夫婦のみ世帯が年々増加しているため、普段から些細な老いの変化に気が付かず、久しぶりに会った時に老いの変化に驚きを隠せないことがあるかもしれません。日ごろから定期的に連絡をするなどして、健康管理やもの忘れがないかのコミュニケーションをとっておくのといざという時の心構えになるでしょう。
自分の親の老いという現実を受け入れるための覚悟とせつない気持ち、また信じがたく複雑な思いもありますが、それは親も同じように自分の老いを受け止めるのに戸惑いはあったはず。元気なうちから「介護」を受け入れる準備が肝心です。

介護はこうやって始まる

親の年齢が75歳を超えると、介護が必要になる可能性が高くなります。もしもの時に慌てないために、その先に起こり得る対応について予め理解しておきましょう。

介護の心構え

状態 対応
ケガや病気による突然の入院や言動やコミュニケーションに変化がみられる 地域包括支援センターへ相談。高齢者の保健福祉の相談や支援を受ける時の窓口。自治体によりサービス内容が異なる場合があるので、親が住んでいる地域のセンターに確認する
75歳以上で元気 いつ介護を要する時が来ても良いように普段から情報収集

物忘れがある

親の物忘れが気になり始めた方は、一人で悩まず、専門医や家族に相談しましょう。認知症の早期発見・早期治療は、進行を遅らせたり、生活の質を向上させることにつながります。また、日頃から適度な運動や脳トレを行うなど、生活習慣を見直すことで物忘れを予防することも可能です。

物忘れ

また、自治体によってはある年齢以上に対し、認知症の簡易検査「物忘れ検診」を無料実施しているので、お住まいの自治体に問い合わせしてみるのも良いでしょう。

ケガや病気で病院にかかっている

年をとると、不意なケガ、病気、そして持病で病院に通院する機会が増えます。特に骨粗鬆症で転んだり、ぶつけただけで捻挫や骨折しやすいこと、また年を取ると病気やケガが治りにくく、治療期間も以前よりも長くなります。遠方にいると病院の付き添いも難しいもの。条件によっては病院の付き添いを介護保険でカバーすることも可能です。要介護1~5に該当し、さらにケアマネージャーが病院付き添いの必要有無を検討しケアプランに導入することが条件です。まずは地域包括支援センターに相談しましょう。

 

介護用品はどこで買いますか?

では介護用品をどこで購入するのが良いでしょうか?「介護用品」には介護者の生活シーンに合わせて、多岐にわたります。食事、排泄、入浴、睡眠、運動、コミュニケーション等、そこからさらに細分化されています。「介護がはじまった」となると、日常生活のどのシーンで介助が必要なのかを考えてみましょう。

介護用品を購入する場所は、大きく分けて以下の3つがあります。

     
  • ●介護用品専門店:介護用品の専門店は、幅広く商品を扱っており各々の介護に合ったものを選ぶことができます。また、専門のスタッフが相談に乗ってくれることもあり、初めて介護用品を購入する方にもおすすめです。さらに介護用ベッド、車いす、スロープ、家具などの専門店もあります。


  • 介護ベッド
  • ●ドラッグストアやホームセンター:ドラッグストアやホームセンターにも介護用品(おむつ、介護食、エプロンなど)が販売されています。店内の広さによってアイテム数は限られますが、ここ数年、介護用品のエリアが大きくなりつつあるようです。急ぎで必要な時にすぐ買いに行けるのは安心です。


  • 介護おむつ

  • ●通信販売(カタログ・インターネット):おむつ、食事用エプロン、口腔ケアのように毎日使用する消耗品は通信販売で購入できます。価格も比較的安価でかつ、まとめ買いができるので、かさ張る介護用品は通販での購入がおすすめです。


  • ●コンビニエンスストア:一部病院内にあるコンビニでは介護用品の取り扱いがありますが、一般のコンビニでの介護用品の取り扱いはまだまだ少ないようです。一方、介護用品ではありませんが、セブンイレブンの7NOW(セブンナウ)は、専用アプリから最寄りのセブンイレブンの店内の商品を注文ができ、20分以内に配達してくれるサービスです。7NOWを利用して親やご家族がお住まいの最寄りのセブンイレブンからトイレットペーパーや飲料を配達してもらうことができるので、介護が必要になったら便利なサービスのひとつです。

ドラッグストアやホームセンター

ドラッグストアやホームセンターは、介護用品を購入するのに便利な場所です。日用品や食品なども一緒に購入できるため、効率的に買い物ができます。ただし、取り扱っている介護用品の種類は限られている場合があるため、事前に確認が必要です。
ドラッグストアやホームセンターでよく見かける代表的な介護用品には、以下のようなものがあります。

ジャンル
排泄用品 失禁パッド、紙おむつ、尿とりパッドなど
食品・飲料 レトルト介護食、栄養補助食品、飲料など
口腔ケア 口腔スポンジ、ジェルなど
入浴用品 バスチェア、入浴補助マット、シャワーチェアなど
歩行補助具 杖、歩行器、車椅子、シルバーカーなど
生活用品 介護用スプーン、食器、ストロー、エプロンなど

ドラッグストアは、介護用品の種類が限られており専門店でしか取り扱っていないような特殊な介護用品は購入できない場合が多いようです。また、専門的な知識を持つスタッフが常駐していないため、使用方法や選び方について相談しづらい可能性があります。

ネット通販

介護用品を通信販売で利用するユーザーは増えています。いつでもどこからでも注文ができるので、介護者が遠方にいても安心して利用できます。おむつなどのかさ張る商品は店頭で買うには持ち帰りが不便ですが、配達してくるのはメリットでしょう。また商品によっては定期購入サービスがあるので毎日使う消耗品は通販の定期購入の利用はおすすめです。

ネット通販

介護用品専門店の通販サイトも増えています。専門店の場合、専門的な知識を持ったスタッフがいるので、介護に関する不安や疑問を解消しながら、適切な商品を選ぶことができます。

レンタルの選択肢

介護用品を購入する方法はいくつかありますが、レンタルという選択肢もあります。レンタルには、以下のようなメリットがあります。車いす、ベッド、歩行器、入浴介助等々、幅広いシーンで使う介護用品のレンタルの取り扱いがあります。必要な期間だけ使用できること、また介護者の身体状況により、介護用品も変化します。使わなくなったら返却するだけなので、置き場のスペースをとったり処分に困ることがありません。さらに福祉用具貸与に該当する場合は介護保険の利用も可能な点もメリットのひとつです。

車いすレンタル

もちろん、レンタルなので費用はかかります。またレンタルなので新品ではないこと、レンタル期間が長くなると購入よりも割高になる場合があること、紛失や破損時の対応も契約の際に確認しなければなりません。

まとめ

介護用品はおむつ、介護食、口腔ケアのように毎日使用するものから、衣類や食器、シルバーカー、車いす、排泄用品等、様々。さらに介助者が使用する消耗品も含めると、いざという時にどこで何を揃えたらよいのかわからなくなります。

健康な家族

そんな時はケアマネージャー、地域包括支援センターに相談し、どういったものが必要で保険の対象有無かを確認することが先決。そこからドラッグストアや通販、さらにレンタルの利用を検討しながら、介護者に無理なく、負担なく寄り添いましょう。

よくある質問

介護用品は誰でも買えますか?

介護用品はどなたでもご購入できます。ただし消耗品など開封後の返品や交換は難しいため、サイズや種類は事前に確認しておくことが大切です。また介護保険の適用になる場合もあるので、ケアマネージャーとよく相談してご購入ください。

フリマアプリに介護用品がありました。購入しても問題ありませんか?

特に問題ありません。メリットは比較的に安価で入手できる点ですが、デメリットとしては基本的に返品や交換ができません。個人間での取引のため万が一のトラブルがあっても当事者間で解決せざるを得えません。リスクを承知した上で利用してください。

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