【足がつる】こむら返りの原因と予防法

目次

足がつる(こむら返り)とは?

何かの拍子で突然、足が攣る(つる)ことはありませんか?医学的には「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」と呼ばれ、ふくらはぎの筋肉が痛みを伴って痙攣する症状を指します。

具体的には、足の筋肉バランスが崩れてしまうことで筋肉の収縮が起こり、痙攣のような状態に。

特に運動後、伸びをした直後、そして睡眠中に突然足がつることが多いと思います。

一瞬で済む場合もあれば、数分間ずっと痛みと痙攣が続いてしまい、もがき続ける場合も。

足がつるのには下記のような原因が挙げられます。

・運動後の筋肉疲労
・栄養不足
・水分不足
・急な寒暖差
・加齢(特に女性は女性ホルモン減少も影響)
・妊娠後期(おなかが大きくなると足の血管が圧迫されやすい)

じっとしていても痛い、つった足を叩いても伸ばしても変わらない。自然に痛みが引くまで辛くて、我慢するしかない足のつり。

前兆なく突然襲う痛みは、相当なものです。しかも夜中の睡眠中に突然足がつると、痛みは治まっても眠気が飛んでしまい、なかなか寝付けないことがあります。

できれば足をつらずに、ぐっすり睡眠をとりたいものです。

額を抑える女性

ところで、足がつることを「こむら返り」と呼ぶこともありますが、こむら返りの「こむら」はふくらはぎのことで、漢字で書くと「腓」。

「こむら返り」はふくらはぎの筋肉がひっくり返ったかのような衝撃が走るという表現として、古くは平安時代から用いられてきました。

また、「こむら≒こぶら」と響きが似ており、蛇のコブラがひっくり返るほどの痛さから「こぶら返り」と言う地域もあります。

参考までに、英語では「leg cramp (legは足、crampは筋肉の締め)」と言いますが、一部のスラングとして「charley horse」も使われます。

これは1800年代、野球場でグラウンドの土を慣らしていた馬の名前charleyが由来、との説があるそうです。足がつるのは世界共通、それも1000年以上も前から悩まされてきたことがうかがえますね。

最近では、熱中症や、新型コロナウィルス感染拡大での生活習慣の変化が原因で、足がつる人が増えているそうです。詳しくご説明しましょう。

足がつったらどうする?

足がつったらとにかく痛みが引くまでじっとしている方も多いと思いますが、応急処置として、患部を伸ばしてみてください。

・足のつま先を持って、すねの方にゆっくり引いてふくらはぎを伸ばします。
・つった足を膝立ちして両手でつま先とかかとを持ち、前へ体重をかけてふくらはぎを伸ばします。

無理に伸ばそうとすると筋肉を傷めてしまう原因にもなるので、無理のない範囲で。

頻繁に続くようであれば、市販薬や漢方薬(芍薬甘草湯)が薬局で販売されているので、お店の方に相談することをおすすめします。

さらに、閉塞性動脈硬化症やヘルニアなどの病気が原因だとも考えられます。症状に応じて、医師に相談するようにしてください。

(動脈硬化症の疑いがある場合は循環器内科や心臓血管外科、ヘルニアは整形外科です)

基礎体力・筋力アップ

加齢とともに、筋力は落ちていきます。普段から階段を使用したり、ウォーキングやストレッチで筋肉が固まらないようほぐしたりしながら、体力づくりを心がけましょう。

もちろん、運動後には水分補給を忘れずに。

マッサージ

リモートワークで足を動かさなくなった方におすすめなのが、マッサージです。

思いついた時に足首をさすったり、ふくらはぎを揉んでみたり。なかなか習慣化するのが難しいかもしれませんが、トイレに行った時に、ちょっと足首やふくらはぎを触るところから始めてみましょう。

むくみ解消にも効果的です。

かかとに手を添える

足がつっても「年のせいだから」「寒いから」「たまにだから」と安易に見過ごしてしまいますが、あの痛みと苦しみは頻繁に起こしたくないものです。

どのような病気や症状も、予防することがとても大切です。日頃のケアをしっかりして、足のつりが起こらない体づくりを心掛けてください。

熱中症と新型コロナウィルス感染症

足がつるのは比較的寒い冬が多いですが、理由は寒さによる血行不良です。

特に冬の明け方の気温は低く、筋肉がぎゅっと縮まった状態=緊張した状態になりやすいので、足がつりやすくなります。

しかし、ここ最近は夏でも足がつる人が増えているようです。

厳しい日差し

夏に足がつる原因に挙げられるのが「熱中症」です。熱中症といえば、猛暑で気温が高い外に長時間いると罹りやすいと思われがちですが、実は屋内でも発症します。

屋外の気温が高いと室内の温度も上昇することや、自宅では水分補給が疎かになりやすいことが原因です。

また、「家にいれば冷房をつけなくても大丈夫」と思い込む高齢者が特に多いです。

そのため、自治体によっては一人暮らしの高齢者の自宅を訪問して室温や湿度確認をする見守りサービスを行っているほどです。

汗をかくと体内のミネラルや塩分が排出されますが、水分補給で水ばかり飲むだけでは、必要なミネラルを摂取できません。

血液中の塩分濃度が薄まってしまい、筋肉が痙攣し足がつってしまう原因に。

さらに、エアコンの温度を調整しないでつけっぱなしで寝てしまうと、部屋の室温が下がりすぎて逆に体調を崩しやすくなります。

体温調整、ミネラル不足、水分不足など、室内にいると気が付きにくい体の変化があります。

足のつり予防だけではなく、この季節は体調管理することが大切ですね。

パソコンを操作する男性

一方、新型コロナウィルス感染症の影響で、在宅勤務やリモートワークが増えています。これまでは通勤や退勤、会議室や給湯室やトイレへの移動、食事に出かけるなど、動く機会が多くありました。

しかし、在宅勤務中は、トイレ以外ほぼ座りっぱなしであることが多く、足を動かす機会が減少します。エコノミークラス症候群と同様に、足を動かさないと足まわりの筋肉が硬くなり、筋肉が酸欠状態になって、足がつりやすくなるのです。

ここ1~2年、在宅勤務増加に伴い、足がつりやすくなる人が増えているそうなので、リモートワークが多い人は予防策を覚えておくとよいでしょう。

※足がつる=コロナウィルスが原因ではありません。

足がつらないための予防

足をつらないための予防として、いくつか挙げていきます。全て覚えてこなすのは難しいかもしれませんが、無理のない範囲で少しずつ取り入れてみましょう。

体温調整

夏は冷房の温度を、「室温28℃以下」を目安に暑すぎず、寒すぎないように設定しましょう。使用するエアコンの風が、直接人に当たらないようにするなどの調整も必要です。

冬はどうしても外気との寒暖差があるので、常に暖かくするように。湯たんぽや締め付けない程度のレッグウォーマーなどで、足元を温めるとよいでしょう。

また、入浴はシャワーだけで済まさず、体の芯まで温まるように、ゆっくり湯船につかるようにしましょう。

エアコン

水分補給

トイレが近くなるので、寝る前に水を飲むのは敬遠されがちです。しかし、人間は就寝中、コップ1杯分の汗をかいています(夏は2杯分ともいわれています)。

水分を摂らないと、寝ながらにしてどんどん水分不足の状態が続いてしまいます。

寝る前にコップ1杯の水を飲むか、いつでも飲めるように枕元にペットボトルの水を置いておくことをおすすめします。

またアルコールやコーヒー(カフェイン)飲用も水分不足の原因になるので、就寝前に摂取したら水を飲むように心がけましょう。

グラスに入った水とペットボトル

ミネラルバランス

ナトリウムやカルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル成分は、神経が筋肉に伝達するために必要です。これらが不足すると、筋肉への伝達が乱れ、足がつる原因に。

過剰摂取もよくないので、バランスの良いミネラル摂取を心がけましょう。

ナトリウム 梅干や漬物、醤油や味噌、ハムや練り物
カルシウム 牛乳・チーズ・ヨーグルトなど乳製品、魚、小松菜、大豆製品
カリウム アボカド・バナナなど野菜果物、海藻類、大豆製品
マグネシウム ほうれん草やオクラなど野菜、ナッツ類、大豆製品
大豆

大豆製品はきなこ、豆腐、納豆、豆乳など。もちろん、醤油や味噌も大豆からできています。大豆は古くから日本の食卓に欠かせない食品。

栄養バランスに優れた食品のひとつですね。

スポーツドリンクや麦茶もミネラルが豊富です。ただし、糖分やカフェインの量が気になる方は飲みすぎに注意しましょう。

また、サプリメントでミネラルを補うこともおすすめです。

トイメディカル アルギン酸類配合 しおナイン(48粒)
トイメディカル アルギン酸類配合 しおナイン(48粒)

基礎体力・筋力アップ

加齢とともに、筋力は落ちていきます。普段から階段を使用したり、ウォーキングやストレッチで筋肉が固まらないようほぐしたりしながら、体力づくりを心がけましょう。

もちろん、運動後には水分補給を忘れずに。

マッサージ

リモートワークで足を動かさなくなった方におすすめなのが、マッサージです。

思いついた時に足首をさすったり、ふくらはぎを揉んでみたり。なかなか習慣化するのが難しいかもしれませんが、トイレに行った時に、ちょっと足首やふくらはぎを触るところから始めてみましょう。

むくみ解消にも効果的です。

かかとに手を添える

足がつっても「年のせいだから」「寒いから」「たまにだから」と安易に見過ごしてしまいますが、あの痛みと苦しみは頻繁に起こしたくないものです。

どのような病気や症状も、予防することがとても大切です。日頃のケアをしっかりして、足のつりが起こらない体づくりを心掛けてください。

よくある質問

足がつる(こむら返り)の原因は?

激しい運動後の筋肉疲労、水分不足、急な寒暖差などが挙げられます。
また最近は在宅勤務が増えたことにより足を動かす機会が減少。
足の筋肉が固くなり、つりやすくなっているとの報告もあります。

足がつらないようにするには?

■体温調整:夏も冬も体を冷やしすぎないように注意。
■水分補給:就寝中は汗として水分が抜けるので寝る前にコップ一杯分の水を飲みましょう。
■栄養補給:ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウムの摂取
■適度な運動:筋力をアップさせ足がつりにくい身体作りに。マッサージもおすすめです。

フォーム

このページのURLをコピー

一般の最新コラム
一般のコラム一覧