【介護脱毛とは?】メリットやデメリット、脱毛方法について

目次

介護脱毛とは

ひと昔前は、脱毛といえば「おしゃれや美容のため」と思われていましたが、最近では、テレビやネットニュースで「介護脱毛」について取り上げられ始めています。
最近では、介護が必要になった時に向けて、介護脱毛を希望する人が増えてきているのです。

介護脱毛とは

介護が必要になる年齢になった時、家族だけではなく介護者に排泄、清拭・入浴、食事等の介護をお願いすることになります。
特に排泄や清拭・入浴時にデリケートゾーン周りのアンダーヘアを拭いてもらうのは、恥ずかしさと介護者への負担を感じやすいもの。
そういった背景から40代を過ぎたら、介護脱毛を意識する方が増えているのです。

自分の肉親や義理の父母のお世話をしていて、自身で介護脱毛を意識するケースが多いです。
また未婚の場合、将来介護をする人は、第三者である介護者。赤の他人に、排泄や入浴後のふき取りをお願いする時に、ためらいや申し訳なく感じることがないよう、介護脱毛を意識する傾向があるようです。
参考までに国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、50歳までに結婚したことがない「生涯未婚率」は、1990年男性が5.57%、女性が4.33%だったのが30年後の2020年は、男性が28.25%、女性が17.81%まで上がっています。※

※参照:国立社会保障・人口問題研究所「性別,50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合:1920~2020年」

排泄ケア

排泄ケアといえば「おむつ」を思いつきますね。
実はおむつだけではありません。排泄ケアは要介護者の状況によって異なります。

高齢者のおむつ交換
  • ・寝たきりで起き上がれることができず、トイレに行けない場合、介護者がおむつを替えます。
    おむつを取り替えるだけではなく、清潔に保つためにデリケートゾーンをふき取ります。
  • ・起き上がることはできても、歩くことが困難でトイレの移動ができない場合、ベッド横に介護用のポータブルトイレを使用します。
    介護者は立ち上がりやトイレで用をたせるようにサポートします。
  • ・立ち上がってトイレまで移動できたが、用をたす前後のサポートが必要
  • ・トイレで立ったままおむつを交換する時のサポート

排泄は人間の尊厳に関わる非常にデリケートな行為です。
自分で排泄ができなくなった現実を受け止めることができない高齢者も多いのです。
「臭いだけではなく後始末までお願いするのは申し訳ない」という気持ちになってしまうのは自然なこと。
こういった背景から介護脱毛が注目を浴びているのです。

介護脱毛のメリットとデメリット

メリット

メリットのイメージ
  • ① 陰毛に付着した排泄物の洗浄やふき取りが不要
    排泄ケアはおむつを取り替える度に、きれいにふき取らなければなりません。
    また軟便や下痢の場合、陰毛にこびりついてしまい、さらに毛が絡んでしまうとふき取りに時間を要します。陰毛や皮膚に排泄物が残ったままでは、身体の抵抗力が弱くなっているだけに、炎症を起こす可能性も。
    一方、陰部の皮膚はデリケートでかつ加齢とともに弱り、ゴシゴシ拭いただけでも皮膚を傷めてしまいます。
    炎症や感染症のリスクも抑えることができるので、脱毛は介護する側、される側のメリットがあるといえます。
  • ② 清潔になり、蒸れやかゆみが軽減されておむつかぶれの心配がない
    大人の排泄や汗の量は、赤ちゃんのおむつよりも多いため、おむつの中は非常に蒸れています。
    さらに加齢により皮膚の水分がなくなり、肌の表層にある角質層が乱れてしまい、肌のバリア機能がなくなってしまいます。
    すると、汗や蒸れといった外的ダメージが重なるので、高齢者にとっては油断できないもの。
    雑菌が繁殖してしまい、おしりや陰部が炎症する、おむつかぶれの症状が出てしまいます。
    かゆみが出てしまうと、前述のとおり皮膚が弱いのでますます痛みを伴うことも。
    脱毛によっておむつかぶれを防ぐことができるのも介護脱毛のメリットです。
  • ③ 蒸れが軽減されると、雑菌の繁殖を抑え臭いが抑えられる
    おむつ内の蒸れや取り替えのタイミングによっては、雑菌が繁殖してしまいます。
    ①と同様に、陰毛についた排出物の汚れが取り切れない、また②のように陰毛、汗、排泄物による蒸れでおむつ内の湿度が高まると、雑菌が繁殖します。
    菌は汗や排泄物に含まれる栄養分を摂取して糞を排出し、その臭いが悪臭の元になります。
    介護脱毛により臭いの元を抑えることができるのもメリットです。
  • ④ 申し訳ない、恥ずかしい、といった心理的な思いが緩和
    子供はおむつ離れをしてトイレトレーニングをして、そこから一人自立してトイレで排泄を行い、他人にお世話されることなく、他人に見られることはなくなります。
    しかし、高齢になり介護が必要になってくると、排泄にサポートが必要になります。
    排泄行為を他人に見られるという羞恥心、他人の世話になるという喪失感、そして、申し訳ない気持ちが高まってしまいます。
    その気持ちを少しでも緩和して楽になるためにも、介護脱毛を行う人が増えているようです。
車いすに乗ったお婆さん

一方、介護をする側からの立場からすると、排泄ケアと陰毛の有無をどれくらい負担に感じているのでしょうか。
介護の現場で見ると、実は介護脱毛はそれほど必要性を感じていないという意見があるようです。
介護する側は、何人もの排泄ケアを行ってきているだけに、陰毛の有無で多少の時間が短くなることはありますが、そこまで負担にはならないようです。
むしろ下痢や軟便にならないような食事を摂って、健康に気を遣う方が大事なのかもしれません。
また加齢に伴い陰毛が細く薄くなってきていることによっても、負担が緩和されているようです。

デメリット

では介護脱毛にデメリットはあるのでしょうか?
下記3点が挙げられます。

  • ① 費用がかかる
    介護脱毛は保険適用ではないため、費用がかかります。
    また1回の施術では終わらず、最低でも約1年間は継続して通院が必要です。(個人差はあります)
  • ② 痛みを伴う
    施術方法にもよりますが、レーザー脱毛はレーザーを照射して毛根の組織を破壊します。
    このレーザーを照射する時に輪ゴムで弾いたような痛みを伴います。
  • ③ 一度脱毛したら永久に生えてこない
    永久脱毛は毛が生える組織を破壊するので、二度と生えてきません。
    例えば温泉地や公衆浴場などで目に触れることがあると、人によっては毛がないことを恥ずかしいと感じるかもしれません。
    また下着内で、皮膚のこすれが気になることも。

メリットとデメリットは様々です。家族や友人に相談しにくいデリケートな話題ですが、ご自身の老後を迎えるまでのライフプランを見つめなおすきっかけになるかもしれません。

介護脱毛の方法

デリケートゾーンの脱毛をVIO脱毛といいます。VIOはデリケートゾーンの部位でVはVライン(=ビキニライン)、I はIライン(性器付近)、OはOライン(肛門付近)です。
介護目的ではないVIO脱毛は「清潔に保ちたい」「容姿」「下着からはみ出る毛をなんとかしたい」「臭いが気になる」といった理由なので、VIOすべてを脱毛するのではなく下着からはみ出る毛が気になるなら、Vラインだけですし、臭いが気になるならIもしくはOラインで済みます。
介護脱毛であればVIOすべてを行い、ツルツルの状態にするのが良いのですが、二度と生えることがないだけに、すべて無毛にしてしまうことに躊躇するなら、Vラインは少し残して、IとOを完全に脱毛するケースが多いようです。

VIO脱毛のイメージ

何歳から始めるの?

では介護脱毛は何歳から始めればよいのでしょうか?
レーザー脱毛で用いるレーザーは黒い色素にしか反応しません。
加齢とともにアンダーヘアが白髪になると、レーザーを照射しても反応しないので、老後を意識しはじめる40~50代前半が良いとされています。
2021年医療法人社団風林会 リゼクリニックが40~50代の男女1,100人に取ったアンケートによると、介護脱毛を希望する女性は54.9%、男性は31.1%で年々増加傾向にあるようです。※

※参照:◆【2021年「敬老の日」直前/40~50代男女1100名に聞く「老後と介護」調査】老後に備え「介護脱毛、希望」(女性54.9%、男性31.1%) ~ 男性の『介護脱毛』認知度は前年と比べ3倍増加

自分でできる?

腕や足、脇のような部位は、脱毛クリーム、ワックス、カミソリで脱毛できます。
もちろん毛根までは処理できないので、永久ではなく生えてはまた処置の繰り返しですが、費用は永久脱毛ほどかかりません。
ただし、繰り返し処理をしないといけない面倒さ、またカミソリ負けで皮膚にダメージがかかるのは、いうまでもありません。
また毛抜きは毛の根本から引き抜くので、毛穴自体を引っ張ってしまうため、皮膚へのダメージがかかります。

アンダーヘアも同様です。特にデリケートゾーンは皮膚が薄く、そして鏡があってものぞき込まないと自分で処理することはできず、剃り残しはもちろん、うっかりカミソリで切ってしまったり、またクリームが陰部に入って炎症を起こしたりしかねません。
そのため、デリケートゾーンの脱毛はご自身で処置するのは避けた方が良いでしょう。

クリニックやサロンでの施術

セルフではなくクリニックやサロンでの施術には、「レーザー脱毛」「光脱毛」「ニードル脱毛」の3種類があります。
施術方法は医療クリニック(医療脱毛)とサロンにより異なります。
レーザー脱毛は医療行為にあたるのでエステサロンでは扱っていません。
またクリニックでの医療脱毛といっても、自由診療にあたるので保険は適用されません。

施術方法 施術 方法
レーザー脱毛(医療脱毛) クリニック 医療用のレーザーを毛根に照射し毛根組織を破壊する。
光脱毛 サロン 毛根にライトを当てるが毛の幹細胞は破壊されない。
ニードル脱毛 クリニック・サロン 毛穴に針(ニードル)を刺し電気を流して毛根を焼きます

施術方法で比較すると、レーザー脱毛の利用が多い傾向です。
サロンで受けられる光脱毛は完全な脱毛ではありませんが、一定数選ぶ方がいます。
また、ニードル脱毛は毛穴に針を刺すので、白髪にも効果があります。ただし強い痛みを伴います。

レーザー脱毛
施術方法 効果・特色 痛み
レーザー脱毛(医療脱毛) 痛みはあるが半永久的に脱毛できる。費用がかかっても早く脱毛を終わらせたい人向け
光脱毛 除毛・減毛が目的。完全な脱毛ではなく時間がかかる。痛みに弱い、根気よく通える人向け
ニードル脱毛 針を刺すので、激しい痛みが毛穴の数によっては時間と費用がかかる

皮膚トラブルは避けたいので、心配の場合は皮膚科で医師に相談することをおすすめします。

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よくある質問

介護脱毛のメリットは?

メリットは大きく分けて下記の4つになります。

  • 陰毛に付着した排泄物の洗浄やふき取りが楽
  • おむつかぶれしにくい
  • 蒸れが軽減され、雑菌の繁殖を抑える
  • 介護脱毛を行うことで、介護をお願いすることになったときの羞恥心が緩和

介護脱毛の方法は?

介護脱毛はクリニックやサロンでの施術が主です。

  • レーザー脱毛(医療脱毛)
  • 光脱毛
  • ニードル脱毛

費用は掛かりますが、医療脱毛は半永久的に脱毛が出来ます。陰毛が白髪の場合はニードル脱毛になり、針を刺しての施術になるので激しい痛みが伴います。

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