洗濯槽に洗濯物を入れる

インフルエンザにかかったら~洗濯物と風呂はうつる?家庭内感染対策を解説

目次

新型コロナウイルス感染症が流行を境に、インフルエンザの感染者数が一時的に減少しましたが、ここ数年徐々に季節問わず増えてきました。「インフルエンザ」と診断されると、ご家族や同居されている方への感染を防ぐためにどうすれば良いか、不安に感じることがあるでしょう。特に、毎日行う洗濯やお風呂について、「いつも通りで大丈夫なの?」「うつったりしない?」と気になりますよね。
この記事では、インフルエンザの家庭内感染を防ぐための、洗濯方法やお風呂の入り方、その他気になる点について、わかりやすく解説します。

インフルエンザの洗濯、基本は一緒でOK

インフルエンザ患者さんの衣類やタオルは、基本的に他の家族の洗濯物と一緒に洗っても問題ありません。

洗濯
「本当に大丈夫?」と心配になる方のために、その理由と正しい洗濯方法を詳しく解説します。

洗濯物からウイルスはうつる?

インフルエンザウイルスは、湿った環境では数時間生存することがありますが、洗濯そのものがウイルスを物理的に洗い流し、感染力を大幅に低下させます。衣類に付着したウイルスが、洗濯前に他の場所に大量に付着し、それが口や鼻に入るというケースは考えにくく、洗濯物を通じた感染リスクは非常に低いと言えます。ただし、患者が着用していた衣類、使用したタオルを触った後は、手を洗いましょう。ウイルスが付着したままの手指が知らず知らずのうちに鼻腔や口に触れると感染リスクが高まります。

通常の洗剤でウイルスは除去できる

インフルエンザウイルスは、市販の通常の洗濯用洗剤で十分に除去できます。 インフルエンザウイルスは「エンベロープ」という脂質でできた膜に覆われたエンベローブウィルスに分類されます。洗剤に含まれる「界面活性剤」という成分は、このエンベロープを破壊する働きがあります。そのため、特別な消毒液や漂白剤を使わなくても、いつもの洗剤で洗濯すればウイルスは不活化(感染力を失うこと)されるので、通常の洗濯で患者の衣類や寝具と一緒に洗っても問題ありません。

洗濯物を分けるべき特別なケース

もしインフルエンザではなく、ノロウイルス感染の場合は注意が必要です。ノロウイルスや他の感染症リスクがある患者さんの嘔吐物や下痢便、鼻水などが大量に付着している場合は、分けて洗濯することをおすすめします。

吐き気をもよおす女性

これら嘔吐物や便、鼻水に付着したウイルスが感染源となり、感染力が強いため、しっかり使い分けと洗い分けしなければなりません。

嘔吐物や下痢便が付着した衣類の洗い方

もし衣類が嘔吐物などで汚れてしまった場合は、以下の手順で処理しましょう。

1.使い捨ての手袋とマスクを着用し、換気を良くします。

2.ペーパータオルなどで汚物を静かに拭き取ります。拭き取った紙はビニール袋に入れて密閉して捨てます。

3.汚れた部分を水で洗い流します。この時、水が飛び散らないように注意してください。

4.必要に応じて、色落ちの心配がない白い衣類などは、0.1%の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)の薄め液に浸けて消毒するとより安心です。

5. 下洗いした衣類を、他の洗濯物とは分けて洗濯機で洗います。

 

ウイルスを無力化する洗濯・乾燥のコツ

通常の洗濯で十分ですが、「念には念を」という方のために、ウイルスをさらに無力化する効果的な洗濯・乾燥のコツをご紹介します。

熱水洗濯(80℃で10分)が効果的

インフルエンザウイルスは熱に弱く、80℃のお湯に10分間さらされると死滅します。家庭用の洗濯機でこの温度設定が可能なものは少ないので、製品の洗濯表示と洗濯機の取説を確認の上、お湯を給水してください。汚れ落ちにも期待できます。このとき、お湯の温度は50度未満が望ましいです。50度以上は故障の原因に繋がります。

製品表示

またデリケート素材の製品は生地が傷む可能性があるので、手洗いでも注意してください。

乾燥機の使用でウイルスを死滅させる

洗濯後の乾燥機も、ウイルス対策に非常に効果的です。

乾燥機

多くの家庭用乾燥機やコインランドリーの乾燥機は、60℃以上の熱風で衣類を乾かします。この熱によって、残っているかもしれないウイルスを死滅させることができます。特にガス衣類乾燥機は高温なので効果が期待できます。さらに部屋干し臭のもとになるモラクセラ菌も熱に弱いので、臭いが気になる方は乾燥機の利用がおすすめです。

天日干し・部屋干しの注意点

乾燥機がない場合は、天日干しや部屋干しでも問題ありません。

●天日干し 太陽の光に含まれる紫外線には殺菌効果が期待できます。よく晴れた日に、風通しの良い場所でしっかりと乾かしましょう。

●部屋干し 部屋干しをする際は、ウイルスが好む湿った環境を作らないことが重要です。エアコンの除湿機能や除湿機、サーキュレーターなどを活用し、できるだけ早く乾かすように心がけましょう。

サーキュレーター
 

インフルエンザのお風呂、入っていい?

結論から言うと、体調が安定していれば、インフルエンザにかかっていてもお風呂やシャワーは問題ありません。清潔を保つことは、寝込んで塞ぎがちな気分のリフレッシュにもなりますし、合併症予防にもつながります。

浴槽

ただし、入浴にはいくつかの注意点があります。正しいタイミングと方法を知って、安全に入浴しましょう。

入浴・シャワーを浴びて良いタイミング

入浴して良いタイミングは、高熱が下がり始め、体力が少しずつ回復した頃です。なお体力が弱っていることもあり、ヒートショックのリスクが高くなります。脱衣所や浴室を暖めておきましょう。入浴前に予め浴槽の蓋を開けておくと浴室内が暖まります。

・38℃以上の高熱がある時は体力を消耗し、症状が悪化する可能性があるため避けましょう。

・悪寒や関節痛がひどい時 急な温度変化で体に負担がかかるため、入浴は控えてください。

・熱が下がり、比較的元気な時 汗を流すために、長湯を避けてシャワーで済ませるのがおすすめです。

無理は禁物です。本人の「お風呂に入りたい」という意思と体調を尊重して判断しましょう。 どうしても清潔に保ちたいとなったら、シートタイプで清拭するのもよいでしょう。レンジであたため可能の製品もいくつかございます。

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頭髪や頭皮の汚れを手軽に洗浄

お風呂に入る順番については、インフルエンザ患者さんは、家族の中で一番最後に入浴するのが理想的です。インフルエンザウイルスは、洗濯で紹介したとおり洗い流すのと同じように、湯船のお湯を介して感染するリスクは極めて低いとされています。しかし、浴室内や脱衣所で咳やくしゃみでウイルスが飛散する可能性はゼロではありません。そのためにも患者さんが最後に入ることで、他の家族への感染リスクを最小限に抑えることができます。またバスタオルなどのリネン類は共用しないようにしましょう。

入浴後の浴室の掃除と換気方法

インフルエンザの患者さんが入浴した後は、浴室の掃除と換気を行いましょう。 お風呂の掃除は特別な消毒は不要です。普段使っている浴室用洗剤で浴槽や床を洗い流せば十分です。

換気 浴室内に浮遊しているかもしれないウイルスを外に排出するため、換気扇を最低でも30分以上は回し続けましょう。窓がある場合は開けて、空気の入れ替えを促すのが効果的です。

タオルやバスマットの共有は避ける

お風呂で最も注意すべき点は、タオルやバスマットの共有です。ウイルスが付着したタオルを他の家族が使うと、そこから接触感染するリスクが非常に高くなります。
・タオル 患者さん専用のタオルを用意し、絶対に共有しないでください。

タオル

・バスマット 患者さんが使った後は、洗濯するか、一時的に使用を中止するのが安全です。すぐに洗濯できない場合は、患者さんには別のタオルを足拭きマットとして使ってもらうなどの工夫をしましょう。

 

洗濯物以外の家庭内感染対策

インフルエンザの家庭内感染を防ぐには、洗濯やお風呂以外にも気をつけるべきポイントがあります。

食器の洗い方と食洗機の使用

・食器の共有は避ける 患者さんが使った箸、スプーン、コップなどは共有しないでください。

・通常の洗剤でOK 食器も衣類と同様に、普段使っている食器用洗剤で洗えばウイルスは洗い流せます。特に紙皿のような使い捨て食器を使用しなくても問題ありません。

流しの食器

・食洗機の活用 食洗機は高温のお湯で洗浄・乾燥するため、ウイルス対策に非常に有効です。使用できる場合は積極的に活用しましょう。

布団・シーツなど寝具の手入れ方法

寝具は汗を多く吸い込むため、こまめな手入れが理想です。

・シーツやカバーの洗濯 可能であれば、シーツや枕カバーはこまめに洗濯しましょう。

・布団乾燥機の活用 洗濯が難しい布団本体は、布団乾燥機を使うのがおすすめです。高温で乾燥させることで、ウイルスを不活化させる効果が期待できます。

布団乾燥機

・天日干し 布団乾燥機がない場合は、晴れた日に天日干しをして、湿気を取り除きましょう。

部屋の換気と加湿の重要性

インフルエンザウイルスは、空気が乾燥していると活発になります。1〜2時間に1回、5分程度窓を開けて部屋の空気を入れ替えて換気を行います。ウイルスの濃度を下げることができます。

換気

また、加湿器などを使い、部屋の湿度を50〜60%に保つことが推奨されています。適切な湿度は、ウイルスの活動を抑えるだけでなく、喉や鼻の粘膜を守る効果もあります。

ドアノブやスイッチのアルコール消毒

接触感染を防ぐため、家族みんながよく触る場所を消毒しましょう。ドアノブ、電気のスイッチ、リモコン、蛇口のハンドルなどは、ウイルスが付着しやすい場所です。市販のアルコール消毒液(エタノール濃度70%以上が推奨)を布に含ませて、こまめに拭き掃除をすると効果的です。最近ではマルチクリーナーや除菌シートもあるので活用しましょう。

ドアノブ
シャボン玉石けん ふきふきせっけんバブルガード
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「石けん系」の拭き取り式マルチクリーナー

山崎産業 HP ワンミニッツバスター ウェットクロス
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菌とウイルスを99.9%除去

まとめ

ご家族がインフルエンザにかかった際の、家庭内での洗濯やお風呂の対策について解説しました。最後に、重要なポイントをもう一度確認しましょう。

     
  • ●お風呂 熱が下がり体調が安定したら大丈夫です。患者さんは最後に入り、タオルやバスマットの共有は絶対に避けてください。
  • ●洗濯 基本的に他の家族と一緒に洗っても問題ありません。通常の洗剤でウイルスは除去できます。
  • ●より効果的な対策として、乾燥機の使用や熱水洗濯は、ウイルスを死滅させるのに効果的です。
  • ●その他の対策 食器の共有を避け、部屋の換気・加湿(湿度50〜60%)を徹底しましょう。ドアノブなどのアルコール消毒も忘れずに行いましょう。

正しい知識を持って対策すれば、家庭内感染のリスクは大幅に減らすことができます。看病は心身ともに大変ですが、ご自身の体調にも気を配りながら、この時期を乗り越えてください。そして基本は『手洗い・うがい・マスク』を忘れずに。

よくある質問

洗濯物をたたむ時に感染する?

洗濯と乾燥が完了した衣類から感染するリスクは、極めて低いと考えて良いでしょう。界面活性剤と熱によって、すでにウイルスはほぼ不活化されています。どうしても心配な場合は、念のためマスクやグローブを着用して作業するとより安心かもしれません。

インフルエンザ患者が使ったお風呂の残り湯は使える?

お湯の中ではウイルスの感染力は失われるため、残り湯を洗濯に使うこと自体は科学的に問題ありません。しかし、衛生面や気分の問題もありますので、気になる方は使用を避けた方安心です。

熱いお風呂に入ればウイルスは死ぬ?

体外のウイルスは熱に弱いですが、体内に侵入したウイルスをお風呂の熱で死滅させることはできません。むしろ、高熱の時に熱いお風呂に入ると体力を著しく消耗し、回復を遅らせる原因になります。無理に熱湯に浸かったり、熱いシャワーで浴びるようなことはないように。

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