【気象病(低気圧不調)とは?】気圧変化による体調不良の原因と対策

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追記更新

季節の変わり目や寒暖差の影響で、体調が悪くなったり激しい頭痛に悩まされたりした経験はありませんか?この症状は気象病(低気圧不調、気象痛、天気病など)と呼ばれ、女性の約50%が気象病を実感したことがあるといわれています。また、ここ最近では男女問わず、気象病に悩まされる人が増加しています。この気象病は、一体何が原因でどんな予防法があるのでしょうか。

引用:クラシエ薬品株式会社 ~天気の変わり目は不調に注意!女性の約50%が気象病を経験~気象病と漢方

気象病(低気圧不調、天気病)とは

気温、気圧、湿度が急激に変わると、体に不調が生じることがあります。このような症状を気象病と呼ばれています。梅雨やゲリラ豪雨、台風が近づくときも同様です。また、頭痛持ちや関節痛がある方によっては、症状が酷く現れることがあります。

気象病の呼び方

気象病は病名ではなく、様々な呼び名があります。よく呼ばれているのは、「天気病」「気圧病」「低気圧不調」「天気痛」「気象痛」「低気圧頭痛」などです。呼び名の共通点は、天気に関する単語と「病」「痛」が合わさっていることです。いかに天気に左右されているのか分かりますよね。

「気象病」は、天候によって体や病気に影響を受けることを示しますが、その中でも特に寒暖差や気圧の変化による症状を「天気痛」と呼んでいます。「雨が降ると昔の古傷が痛む」と聞いたことはありませんか?実際に痛みを感じる方もいるかもしれません。これも「天気痛」のひとつです。

気象病の症状について

気象病の症状は様々です。代表的な症状は、片頭痛や関節痛、めまいなどです。他にも、だるさや吐き気、下痢、食欲減退、眠気など、言葉にするだけでもぐったりするような症状が出ます。個人差があるので、全ての方が症状にあてはまるとは限りませんが、朝は元気であっても、午後から頭痛や吐き気を感じるなど、突然不調がやってくることもあります。

女性の場合、PMS(月経前症候群)や生理痛ならある程度予測ができますし、体を温めたり、鎮痛薬を服用したりするなど対応できます。一方、気象病は周りに理解がされにくく、突然の不調に驚く方も多いでしょう。

気象病の女性

気象病のチェックリスト

気象病のチェックリストがいくつかあります。代表的なものを紹介します。

チェック1

次に、チェック1の症状が起こるタイミングで該当するものを選んでみてください。

チェック2

チェック1の症状がチェック2で起こっている場合、その不調は気象の影響を受けている可能性があります。

引用:話題の「気象病」を改善するもっとも簡単な方法

低気圧とは?

低気圧とは、周囲より空気の層が薄く、気圧が低い状態の事です。
よく、気象病の原因として「気圧の変化」があげられます。寒暖差や季節の変わり目は、天気予報で気温の変化を見ることで予想できますが、気圧の変化は見ることができず分かりにくいですよね。
さらに、ここ数年みられる「爆弾低気圧」のように、低気圧の急激な発達によって、突然痛みを感じることもあります。
空気の層が薄いものとお伝えした低気圧ですが、具体的に何なのでしょうか?下記で詳しく解説します。

天気予報で「高気圧に覆われ良い天気が続くでしょう」「爆弾低気圧により突発的な豪雨が警戒されます」など、気圧による予報を耳にしたことはありませんか?

低気圧 周囲に比べて気圧(空気の重さ)が低く、天気が崩れる
高気圧 周囲に比べて気圧(空気の重さ)が高く、天気が良くなる

※単位はhPa(ヘクトパスカル)

「空気の重さ=空気の濃度」と捉えると、分かりやすいかと思います。空気が薄いと、周りのそれより濃い気圧が入り込み、風が吹き込みます。そうして天気が崩れやすくなるのです。これこそ低気圧です。

では、低気圧による天気の崩れと頭痛はどういった関係があるのでしょうか?

気象病の原因について

自律神経

自律神経は末梢神経のひとつで、交感神経と副交感神経からなりたっています。そして、自律神経は脳の視床下部でコントロールされているのです。
交感神経は日中エネルギーを消費し、神経を活発にする役割があり、副交感神経は夜間のリラックスや休息を手助けする役割があります。

それぞれが役割を果たすことにより、バランスを保っているため、ストレスや睡眠不足、過労によりバランスが崩れてしまうと、心身に支障が出てしまいます。よって、日ごろから規則正しい生活、睡眠、食事をとりながら自律神経を整えることが、現代人にとっては必要不可欠です。

内耳が影響

気圧の変化を体で感じる部位は、耳の中の鼓膜奥にある「内耳(ないじ)」です。内耳で気圧の変化をキャッチすると、脳へ伝わります。
先述のとおり、自律神経は脳の視床下部でコントロールされているので、内耳から脳へ伝わった気圧の変化が、自律神経に広がります。すると、交感神経と副交感神経のバランスがとれなくなり、体に不調を感じてしまうのです。
交感神経が活発になりすぎると、痛みに刺激を受けやすくなり頭痛や古傷の痛みに悩まされます。一方で、副交感神経が活発になると、だるさ、やる気のなさを感じてしまいます。

水分バランスの影響

気圧変化により体内の水分バランスが崩れやすくなります。代謝が悪くなりリンパの流れが滞ると、自律神経の乱れに繋がります。
水分といってもアルコールやカフェインではなく、水を多く飲みましょう。代謝を良くして、体の余分な水分や不要物を排出することが大切です。

予防について

気象病を予防するには、どのような対策があるのでしょうか。

事前に知って備える

予報などで事前に把握する心構えが必要です。最近では、天気予報図から気圧や気温の変化を見て、頭痛を予報してくれるサイトやアプリがあります。

ウェザーニュース

天気痛予報

さらに体調に影響しそうな気圧・気温・湿度の気象変化から不調予報をお知らせする気象時計もございます。気圧差がわかると、急な不調も納得できるのと周囲からの理解も得られやすくなります。

 
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自律神経を整える

自律神経が乱れると、それだけ気圧の影響を受け、気象病が現れやすくなります。
そのため、自律神経が乱れないよう規則正しい生活を送ることが大切です。睡眠時間をたっぷりとり、シャワーだけではなくお風呂に長く浸かる、朝昼晩バランス良い食事をとる、ストレスをためないなど、ご自身の生活習慣を見直してみましょう。

また、外出をして気分転換をする、運動して汗をかいてスッキリする、趣味を楽しむ、誰かと会話をするのも、良いですね。
ストレスをためると、胃が痛くなったり便秘や下痢になったりするケースもあります。腸内環境を整えるためにも、乳酸菌や食物繊維を含む食物を積極的に摂取して、栄養面を補いながら気象病を予防するのもおすすめです。

くるくる耳マッサージ

気象病は、内耳(耳)が気圧の変化を感じることに関係しています。
内耳の血行をよくすることで予防に繋がるので、天気が悪い日にだけ行うよりも、毎日朝・昼・晩3回行うことをおすすめします。

①両耳をつまんで上下横に各5秒間ひっぱります

②そのまま耳をひっぱりながら回します

③耳の上の部分と下の耳たぶを5秒間くっつける

④手のひらで耳全体を覆ってくるくる回します

着圧ソックス

目には見えませんが、気圧が下がると全身にかかる圧力も減るので、血管が緩み体調不良に繋がります。
着圧ソックスでリンパや血液の流れをよくしたり、足を冷やさないようにしたりすると気象病の症状が和らぐといわれています。ただし、就寝時に着用するのはおすすめできません。

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外来は何科を受診する?

最近は、気象病の専門外来が増えてきました。それだけ不調を訴える人が増えているのでしょう。
なお、愛知医科大学にある疼痛緩和外科・いたみセンター内の気象関連痛(天気痛)、自律神経関連痛の専門外来は、日本で初めて気象病の専門外来として開設されています。
その病院にもよりますが、病院での治療は漢方薬の処方、食事や生活習慣の指導が多いようです。

一度でも天気痛を感じると、仕事や勉強、家事に集中できなくなり、横になるのが精いっぱい・・・と、気象病に悩む人は増えています。地球温暖化の影響で寒暖差や猛暑が続き、台風やゲリラ豪雨といったこれまでにない気象の変化に身体が対応できず、不調を訴える人がこれからもっと増えるかもしれません。

決して他人事ではない気象病。頻繁に体調を崩しやすい方は、予測アプリなどを用い、十分な睡眠や規則正しい生活、栄養ある食生活を意識して自律神経を整えながら、事前に対策をすることで向き合っていきましょう。
「この痛みが今日まで!明日になったらいつもの調子になる!」と思うと、憂鬱な気分も少しは晴れるかもしれませんね。

よくある質問

気象病(低気圧不調)の症状は?

症状で代表的なものに片頭痛や関節痛、めまいがあります。また、だるさや吐き気、下痢、食欲減退、眠気などもみられます。

気象病(低気圧不調)の原因は?

自律神経の乱れが関係しています。内耳で気圧の変化を感じると、脳へ伝達、自律神経に影響を与え、交感神経と副交感神経のバランスが取れない状態になると症状が現れやすくなります。また、気圧の変化による水分不足からリンパの流れの低下、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れも不調の原因に。

 

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