凍える女性

【冷え性(冷え症)】原因とセルフで出来る改善方法

目次

冷え性と冷え症、どちらが正しい?

寒くなると気になる冷え。発熱素材のインナー・靴下・タイツを買い揃えたり、ドラッグストアやホームセンターの店頭で使い捨てカイロを見かけたりするようになりました。
室内で暖房が効いているのに、「足元だけ寒い」「手袋をしても手指が冷たい」「太ももが冷たい」「お風呂に入ったのに足先が冷たい」・・・と、毎年何かしらの「冷え」を感じやすくなった方もいるのではないでしょうか。冷えはさらに、手のアカギレやしもやけ、汗をかかない、冷えのぼせ・・といった症状にもつながります。
身体の冷えは、血行不良に伴う身体の不調のサイン。今年の冬こそ、改善に向けて見直してみませんか。

ところで、「ひえしょう」をパソコンやスマートフォンで変換すると、「冷え性」・「冷え症」どちらが先に出てきますか?実は、漢字が一文字違うと、意味も少し異なります。

冷え性:西洋医学的な考えで、検査を受けてもその冷えの原因がわからないが「冷えている」「寒い」という症状を感じるもの。病的なものでなければ、生活習慣の改善を指導します。

冷え症:東洋医学的な意味合いが強く、「冷え」を解決するために、どの部位が冷えているのか、その原因を追究します。
東洋医学に長けている医師や漢方医の元で治療を行います。

意味は同じでも、西洋医学・東洋医学で意味合いが違う「冷えしょう」。
ここでは、一般的に使われる「冷え性」について詳しく説明しましょう。

冷え性の原因

2021年のLINEの調査※によると、自分は冷え性だと思う人が全体の58%いました。
特に女性については、以下のようにコメントされています。

自分が冷え性だと思う女性(10~50代)は75%もいました。
特に女性10代~30代で冷え性を自覚している人の割合が高く、20代では8割強の人が自分は冷え性だと思っているようです。

年代別のグラフを見ると、男女共に若い10~30代ほど「自分は冷え性だと思う」割合が高いようです。

冷え性についての調査結果グラフ

参照:LINEリサーチ「あなたは冷え性?どんな対策してる?」

このように、自分は冷え性だと自覚している人が多いようです。毎年、発熱素材の衣料品やあったかグッズ、身体を温める食材を使った食品の新商品が並ぶ理由は、冬の寒さだけではなく、冷え性が影響しているのかもしれません。ではなぜ、これほど自覚しやすい「冷え性」は起こるのでしょうか。
冷え性は毛細血管へ温かい血液が流れず、体温調節機能が正常に働いていない状態です。上着やひざ掛けを使ったり、周囲の室温を暖かくしたりするだけでは、解決しません。では、体温調整が正常に機能しない原因を下記に挙げます。

冷えた手と暖かい手のイメージ

自律神経の乱れ

ストレス過多や食生活の乱れ、睡眠不足などによって普段の生活リズムが崩れると、自律神経が乱れ、体温調節ができなくなります。

血液循環の悪化

低血圧や貧血の持病がある方は、血流の流れが悪くなります。

筋肉量減少

女性は男性より筋肉量が少ないので、運動によるエネルギー放出(=発熱)ができず、冷えやすい傾向に。また、男女問わず加齢によって筋肉量は減少します。

きつい下着や靴

身体に締め付けがかかる衣服や下着、靴は血行不順の原因になります。

ホルモンバランス

更年期や閉経、ストレスに伴う女性ホルモンの分泌の乱れによって、血流の流れが悪くなりやすいです。

思い当たる節はありませんか?冷え性は、原因が複数あってわかりづらいです。そのため、たとえ下着や靴を変えただけでも、不規則な生活やストレスが緩和されなければ、改善されないかもしれません。
少しでも冷え性に悩まされないためにも、規則正しい生活を始めるようにしましょう。ほかの生活習慣病の予防にもつながるので、まずはご自身の生活リズムについて見直してみませんか。

冷え症を受診するなら

受診する女性

様々な対策をしても改善されないからといって、「自分は冷え性の体質だから」と半ばあきらめてしまうのは危険です。免疫力が低下し、風邪をひきやすくなるほか、膀胱炎を発症する可能性があります。また、子宮内膜症や甲状腺機能低下症という病気は、症状のひとつに「体の冷え」が挙げられます。このような病気の可能性もあるので、「これはいつもの冷えだから」と放っておかないようにしましょう。
冷えが気になったら、内科の受診のほかに冷え性外来があります。一部のクリニックでは自由診療になる場合があるので、事前の確認が必要です。クリニックで冷え性だと判断されたら、東洋医学の観点で漢方薬の処方をしてもらいます。この際、専門医や指導医による診療を受けた場合、漢方薬が保険適応になるケースもあるので、漢方治療を検討する場合は事前に確認しましょう。

冷え性の改善方法

冷え症の改善方法は、様々です。まずは、できるところから始めてみましょう。

① 食生活の見直し

・冷たい飲み物より暖かい飲み物。白湯(さゆ:水を沸騰させて50℃位まで冷ました飲み物)を1日1杯飲むと温まります。
お酒やコーヒーは控えめにしましょう。

白湯

・1日3食、バランスのよい食事を取ります。特にたんぱく質はエネルギー源となるので、しっかり取り入れましょう。

・生姜や根菜類など、身体を温める食材を取り入れます。はちみつとすりおろした生姜を入れた紅茶もおすすめです。

② 睡眠

・睡眠時間はきちんと確保して、なるべく決まった時間に就寝するようにしましょう。

・寝る直前までスマートフォンやタブレットを操作しないようにしましょう。液晶画面から発するブルーライトにより目の視神経が疲労し、良質な睡眠を得られません。

・寝る前に、湯たんぽで周囲の布団や毛布を温めておきます。靴下を履いて寝るのは避けましょう。足指が靴下の中で固定されるので、かえって血液循環が悪くなり、さらに冷えやすくなります。

湯たんぽ

③ その他

・筋肉量が落ちないように、軽い運動をします。外ならウォーキング、階段を使う、室内ならスクワットなど。無理をしない程度の運動量を、長く続けられるように心がけましょう。

・締め付けがある下着は、できるだけ避けます。きつめのパンプスよりもスニーカーを使ってください。座り仕事や立ち仕事が多いと、足のむくみや冷えにつながります。

・身体の中心のお腹に腹巻をします。着ぶくれしにくい薄手のものや、カイロを入れることができるポケット付きのものもあります。

・生理前や更年期などで、ホルモンバランスが崩れやすくなったら、リラックスできる環境を作りましょう。

・シャワーだけで済ませず、しっかり湯船につかります。熱すぎない温度で30分ほどつかると、芯まで温まります。

靴下をはく子供

老若男女問わず「冷え性」に悩んでいる方が多く、近頃は冷えを改善するために体温調整能力を高める活動を意味する「温活」もよく耳にします。また、温活アドバイザーや温活士、温活指導士という資格もあるようです。
冷え性に悩む方は、寒くなると市場に出てくるあったかグッズや衣料品、食品などに頼ることなく、体の中から改善していきたいものですね。

よくある質問

冷え性の原因は?

血行不良により毛細血管に血液が送られなくなり、体温調節が上手く働かなくなっている状態。主な原因は下記に掲載。
・自律神経の乱れ
・血液循環の悪化
・筋肉量減少
・衣類や靴によるきつい締め付け
・ホルモンバランスの乱れ

冷え性の改善方法は?

改善方法は様々ですが、バランスの取れた食事と飲み物は暖かいものを。特に熱を生み出すたんぱく質や生姜やネギなど体を温める食材を取り入れるようにしましょう。代謝を上げるために適度な運動がおすすめです。

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