【デリケートゾーンのよくあるお悩み】デリケートゾーンと日頃のケア方法

目次

デリケートゾーンについては、家族、友人、パートナーに相談・共有しづらいもの。その名のとおり部位も話題もデリケートです。

最近は「フェムテック」というキーワードが注目され、生理、PMS、不妊対策、更年期障害など、女性が抱える健康上の悩みをもっとオープンにしようという動きがあります。一方で、女性ならではの悩みについて、まだまだ相談する勇気を持てない女性や、話題にする事に少し抵抗を感じる女性がほとんどのようです。しかし、一人で抱え込んでいると、取り返しのつかない事にも…。

生理中のQOL (Quality of Life)、つまり生活の質をよりよくするためにも、デリケートゾーンについて、しっかり向きあってみませんか。

デリケートゾーンとは

デリケートゾーンは、女性の陰部を指します。皮膚が薄く、粘膜があります。

デリケートゾーンは、生理中のナプキンやライナー、尿もれの吸水パッドによる蒸れ、また排便や排尿で雑菌が入りやすい部位です。性交渉による刺激もあり、皮膚が薄い分、非常に繊細です。特に、デリケートゾーンの中でも大陰唇と小陰唇の間は、垢や汚れがたまりやすく、場合によってはかゆみ、かぶれ、臭い、などの症状が現れます。

なぜデリケートゾーンは他の皮膚と違って、かゆみ、かぶれ、臭いなどの症状が出やすいのでしょうか。理由は、デリケートゾーンには脂肪や角質がほとんどなく粘膜でできているから、そして粘膜が免疫細胞を含む粘液を分泌している状態だからです。

また、現代は下記のような生活変化が起きているので、昔よりもデリケートゾーンに関するお悩みが増えてきたといっても過言ではありません。

下着の変化(下着かぶれ)

昔の下着は綿100%が主流でしたが、最近は化繊やレースのついたものなど、ファッション性に富んだ下着が増えました。

最近の下着やボディスーツ、ガードルやストッキング、タイツによる締め付け、通気性の悪さ、またVゾーン脱毛で皮膚と下着が直接触れる摩擦が原因で、かゆみやかぶれが生じやすくなります。

衣類の変化

スキニージーンズやタイトなパンツも、陰部の締め付けに繋がります。

食生活の変化

デリケートゾーンだけではなく、全身の臭いの元に繋がります。

かつては魚類や野菜が主流だった食事が、現代では欧米化が進み、肉食が増えています。肉は動物性タンパク質や脂質を多く含んでいて、分泌されると皮脂が増える事から、臭いの元になります。

ストレス

女性の社会進出により、ストレスや心配事、SNSの偏った情報、他人との比較など、女性が抱えるストレスはますます大きくなるばかりです。

デリケートゾーンのよくあるお悩み

ひとことで「お悩み」といっても、デリケートゾーンのお悩みは人それぞれです。ここでは代表的な症状についてご説明します。

臭い

生理中の経血、生理前のおりもの、汗や皮脂などが空気に触れると、酸化して臭いが発生します。さらに排泄物や雑菌が、膣の周囲で繁殖する事でも臭いが発生しやすくなります。

通常、膣の中には乳酸菌が存在していて、膣内を酸性に保ち、雑菌の増殖を抑えています。しかし、膣内環境が乱れて乳酸菌が減ると、雑菌が増え、おりものから生臭い腐敗臭する「細菌性膣症」を発症します。

膣内環境の乱れは性交渉時に起こりやすいです。精液がアルカリ性のため、膣内の乳酸菌が減り、雑菌が増殖すると言われています。生理や妊娠時など、女性ホルモンの影響や、膣の洗いすぎなども原因とされています。

蒸れによるかゆみ

デリケートゾーンは空気が通らず、高温多湿です。先に挙げたように下着や衣類による締め付けはもちろん、生理用ナプキンやライナータンポンの紐、吸水パッドの使用によって蒸れやすくなり、かぶれの炎症を起こしてしまいます。

感染症によるかゆみ

デリケートゾーンの皮膚は薄く粘膜に近いため、バリア機能が弱く、細菌やウィルス、カビ(真菌)、雑菌が簡単に入り込んでしまいます。ただでさえ高温多湿な環境なだけに、入り込んだ菌はどんどん繁殖し、性交渉によりデリケートゾーンにかゆみが生じる病気などを引き起こします。

性交渉以外に、タオルやシーツからでも感染する場合があるので、デリケートゾーンに触れるものは常に清潔に保ち、さらに膣内環境を整える事が大切です。

痛み

感染症によるかゆみの炎症が強くなると、デリケートゾーンの皮膚はただれ、痛みが生じてきます。

過度な掻きむしりは薄い皮膚が損傷しやすくなり、傷になってしまいます。また痛みで眠れない、出血する、排尿が困難、ズボンが履けない、座れないなど、生活に支障をきたす場合もあるので、痛くなる前に病院を受診する事をおすすめします。

症状が悪化しないうちに病院へ

デリケートゾーンの悩みはつきものですが、恥ずかしさから誰にも相談できず、放っておく女性も少なくありません。また婦人科の診察台で脚を広げる事に抵抗感がある方もいるでしょう。

今は多少我慢できても、少しでも「おかしいな?」「臭うかも?」と思ったら、病院を受診してドクターに相談する事をおすすめします。

皮膚科や泌尿器科でも診察は可能ですが、膣内を診る事があるので、最初は婦人科、産婦人科、レディースクリニックがよいでしょう。女医さんの方が相談しやすい事も大きなメリットです。

なお、下記にあげる病名は、陰部のかゆみや臭いから想定される病気です。

陰部にかゆみや臭いがあるからといって、必ずしも下記の病気に罹っているという訳でありませんが、日常生活に支障が出るほどのかゆみや痛みを感じる前に、気になったら病院を受診して相談しましょう。

かゆみの症状があるデリケートゾーン周囲の病気

接触皮膚炎

皮膚に症状をもたらす原因物質が接触し、刺激やアレルギー反応を発症。かぶれも皮膚炎の一種です。

膣カンジダ

ストレスや疲れなどで抵抗力が落ち、膣の中にあるカンジダ菌が増殖。かゆみやおりもの異常をもたらします。

トリコモナス膣炎

寄生虫による感染症。性行為の他に、寄生虫が存在するところからも感染します。自覚症状がない事が多く、知らないうちに感染を広げてしまう場合も。

性器ヘルペス

ヘルペスウィルスによる感染症。陰部に水ぶくれ、痛み、腫れ、かゆみなどの症状が起こります。

白癬(はくせん)

白癬菌というカビによる感染症。どちらかというと女性よりも男性に多く発症しますが、家庭内感染も考えられるので、常にデリケートゾーンを清潔に保つ事が大切です。

臭いの症状があるデリケートゾーン周囲の病気

子宮内膜炎

細菌感染により子宮内の粘膜が炎症を起こします。

普段の生活で子宮内に細菌が入り込んでしまう事はほぼありませんが、性交渉を通じた淋菌の侵入や、生理中のタンポンを入れっぱなしにして不衛生な状態が続き、細菌が入り込む事で炎症を起こしてしまいます。

膣カンジダ

かゆみと同じ。

淋病

淋菌が粘膜を介して感染する感染症。感染しても自覚症状が少ないのですが、一部おりもの異常やかゆみなどの症状が出る事があります。

子宮頸がん

ヒトパピローマウイルスが子宮頚部に感染する事で発生する悪性腫瘍。進行するに従っておりもの異常、不正出血、性交時の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。

日頃からのケア

免疫細胞を含む粘液を分泌しているとはいえ、デリケートゾーンは高温多湿なので雑菌が増殖するには好ましい環境です。

デリケートゾーンの悩みから解放されるためには、日頃からデリケートゾーンを清潔に保つ事が第一です。またストレスやホルモンの分泌で膣内の環境が変わりやすいので、ストレス発散をしながら膣内環境を維持する事が大切です。

特に乳酸配合のケア用品は、膣内と同じ環境を維持する役割もあるので、成分を確認するとよいでしょう。

排尿排便時

排泄物がデリケートゾーンに付着するので、排便・排尿時はきれいに拭き取るように。トイレットペーパーの素材にもよりますが、あまりゴシゴシ押し付けるように拭かないようにしましょう。

ウォシュレットを使用する場合は、濡れたままにするとより雑菌が繁殖しやすくなるので、その場合もトイレットペーパーで水滴が残らないようやさしく拭き取ります。

お風呂

石鹸をつけたボディタオルやスポンジでゴシゴシ洗い流したくなりがちですが、やはりやさしく洗うようにしましょう。ゴシゴシ洗うのではなく、きめ細かな泡でやさしく包み込むように。

洗剤もなるべく体にやさしい成分が入っているものを選んでください。最近ではデリケートゾーン専用の洗浄剤も販売されています。

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保湿

いくら高温多湿な状態であっても、加齢とともにデリケートゾーンは乾燥しやすくなります。

クリームを使用して肌をやわらかく健やかに保ち、pHを正常に保つ事もデリケートゾーンのケアにおいては大切です。お風呂上りやトイレの後、デリケートゾーンを清潔に保った後にやさしくなじませてください。

生理前後で気になったら・・・すぐにケア

痛みやかゆみはなくても、生理中の臭いが気になる、生理前のおりものの量が多い、生理が終わるはずなのにまだ少し経血が残っているような場合、「もうすぐ旅行なのに」「ヨガレッスンで周りに臭いが広がりそう・・・」「デート前なのに」「脱毛エステで恥ずかしい」など、スポットで対応したくなる時も少なくありません。

膣内の菌や臭い、生理の経血の残りを除去するために膣洗浄器もございます。

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デリケートゾーンのケアに[管理医療機器]
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本来の自分らしい生き方を

デリケートゾーンは、自覚症状がないまま感染症になっている恐れもあります。

「相談する相手がいない」「恥ずかしい」「病院に行きづらい」「何科を受診すればいいのかわからない」と、タブーな話題になる事が多いようですが、旅行に行く事も、スポーツジムやヨガやエステサロンに行く事も躊躇してしまい、外出すらためらう事も。

働く女性が増え、様々なストレスと向き合うようになった今、心配事やストレスが膣内環境に影響を及ぼす事もあります。日頃よりデリケートゾーンのケアは必須です。

普段のトイレやお風呂の習慣を変えるのは難しい事ではありますが、自分の身体と向き合う事から。デリケートゾーンをケアする事で、自分の身体の変化がみえてきます。

まずはデリケートゾーンを清潔に保つ事、夜間の就寝時だけでも陰部を締め付けない、通気性のよい下着にするなどして、少しずつできる事から始めてみましょう。すべての女性が生き生きと輝けるようにと願います。

よくある質問

デリケートゾーンの洗い方は?

最近ではデリケートゾーン専用の洗浄剤が販売されております。
強くこすらずに、きめ細かな泡でやさしく包み込むようにぬるま湯で洗いましょう。

デリケートゾーンの悩みは?

デリケートゾーンの悩みは人それぞれです。代表的な悩みは下記になります。

  • 臭い
  • 蒸れによるかゆみ
  • 感染症によるかゆみ
  • 痛み
  • 黒ずみ など

感染症によるかゆみが強くなってくると皮膚がただれ、痛みが生じます。掻いたり、我慢せずに、早めに病院で受診してください。

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