家庭内感染対策

家族が感染する前に…家庭内感染対策

目次

新型コロナウィルスについて

①新型コロナウィルスとは

新型コロナウイルス(SARS-CoV2)は、人や動物の間で広く感染症を引き起こすコロナウィルスのひとつです。

これまでに重度な呼吸疾患を引き起こす「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や「MERS(中東呼吸器症候群)」のように、コロナウィルスの特定株が原因の感染症は存在しました。

コロナウィルスそのものは感染しても、通常の風邪程度の比較的軽い症状で済んでいます。しかし、新たに見つかったこの新型コロナウイルス(SARS-CoV2)は、2019年終わりに原因不明の肺炎の集団感染が確認され、瞬く間に世界中でパンデミックと言われるほど感染が拡大しました。(日本では2020年1月に最初の感染者が確認されました)

ワクチンや経口薬が開発されていますが、起源の特定ができていないこと、変異株の影響が出ていることにより、解決には至らず、残念ながら終息の見込みがたっていません。

ウィルスは細菌のように、周りにある栄養を摂取してエネルギーを生産し、増殖することができません。生きた細胞の中でしか増殖できないので、他の生物を利用して遺伝子を変化させることで、自ら変異しています。

新型コロナウィルスは約2週間で1か所程度の速さで変異していると言われ、その結果、世界中から様々な変異株が報告されています。これまで確認された変異株としては、南アフリカで検出されたベータ株、オミクロン株、インドで検出されたデルタ株などが挙げられ、それぞれ感染力や重症化リスクが異なります。

重症化リスクが低いとはいえ、対策を疎かにすると感染が広がる可能性が高く、保健所や医療機関を圧迫することになるので、日頃から個人でできる感染対策は重要です。

②新型コロナウィルスの症状

新型コロナウィルスの潜伏期間は平均5~6日、最長2週間程度と言われています。体内にウィルスが入ると、「風邪」や「インフルエンザ」と似た症状を発症します。

よくある症状として、発熱や咳、体のだるさがみられています。個人差はありますが、筋肉痛、関節痛、呼吸苦、のどの炎症、鼻づまり、頭痛や下痢、味覚・嗅覚の異常を感じるケースもあります。

新型コロナウィルス感染症の感染がわかるまでに「発熱や咳、体のだるさ、頭痛、のどの炎症」といった自覚症状を訴えていた患者が多かったようです。感染の不安を感じたら、かかりつけ医やお近くの医療機関に相談してください。

さらに、下記の症状は重症化する前の症状として挙げられています。

  • 息苦しさ、息切れ
  • 高熱(38℃以上)
  • 食欲減退
  • 胸の痛み

上記に該当する症状があり、体の不調を感じたら、厚生労働省や各自治体が設けている相談窓口にお問い合わせください。

重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方と言われています。

重症化リスクが高い基礎疾患は慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙が挙げられているので、重症化しないためにも日頃から肥満防止や糖質制限、禁煙といった健康管理が重要です。

基礎疾患の予備軍ではないか、日頃から確認するようにしましょう。

新型コロナウィルス感染症を気にして、健康診断の受診を控える傾向があるようですが、自覚症状が現れにくい病気を早期に発見するためにも、定期的に健康診断やがん検診を受けてください。

まずは自分の体をきちんと知ることが、新型コロナウィルス感染症の予防、重症化を抑える第一歩となるでしょう。

③感染までの期間

新型コロナウィルス感染症は、飛沫感染と接触感染により感染します。新型コロナウィルスに感染した人が、他人に感染させる可能性がある期間は、発症2~3日前から発症後7~10日間とされています。

発症直前と直後は特にウィルス排出量が高くなるので、発症していないからといって油断は禁物です。新型コロナウィルス感染症と診断された人は、症状がなくても感染防止に努める必要があります。

潜伏期間 感染期間
1~14日間 発症2~3日前/発症後7~10日間

③感染の種類

  • 接触感染:ウィルスに汚染した手指で顔の部位(目や鼻、口)を触ってしまい感染させる場合

    接触感染の防止は、手洗いと消毒により感染の元になる手指からウィルスを除去することが大切です。

    また手が触れる場所(ドアノブや取っ手など)はいつも清潔にすることが大切です。人は無意識のうちに顔に触れることが多く、ある研究調査の結果、人は1時間のうちに23回も顔のどこかを触っている報告があります(※1)。

    意識して触らないようにするのは難しいかもしれません。そのためにも手洗いと消毒は常に行ってください。

    1) Kwok, Yen Lee Angela, Jan Gralton, and Mary-Louise McLaws. “Face touching: A frequent habit that has implications for hand hygiene.“ American journal of infection control 43.2 (2015): 112-114.
  • 飛沫感染:感染者が咳やくしゃみをすると飛沫は1~2メートル(くしゃみの場合は5メートル)飛んでしまいます。その飛沫が目、鼻、口の粘膜に届くことにより感染するケースです。飛沫感染防止は、まず「咳エチケット」。

    手で覆うのではなく、ハンカチや衣類で覆うようにして空気中に飛沫が飛ばないように心がけましょう。

    マスク、フェイスシールド、保護ゴーグル、パーテーションやビニールシートなども飛沫防止には効果的です。ただし、こういった道具やツールで覆っても、外側には菌やウィルスが付着しています。

    不織布マスクなど使い捨てのものは毎日換えること、ゴーグルやフェイスシールド、パーテーション等は除菌シートやスプレーで拭き取るようにしましょう。

  • エアロゾル飛沫(マイクロ飛沫)感染:感染者の飛沫は空気中に浮遊すると、さらに少量の水分を含んだ粒子(=エアロゾル)を吸収します。

    飛沫感染防止は、まず「咳エチケット」。手で覆うのではなく、ハンカチや衣類で覆うようにして空気中に飛沫が飛ばないように心がけましょう。

    この粒子は乾燥していたり、空気の入れ替えができない換気の悪い状態では空気中にずっと漂ったままになるため、密を避け、窓の開け閉め、空気清浄機を用いるなどして、日頃からの換気を徹底しましょう。

普段からご家庭内でできる感染対策

新型コロナウィルス感染症の感染経路として挙げられるのが家庭内感染です。

ワクチン接種済みであっても感染リスクはあるので、外から持ち込んだ菌やウィルスを家庭内に広げないことが重要です。下記にあげる対策をしっかり行ってください。

  • 手洗いの徹底

    外から帰ったら、まずは手洗い。手の甲、手のひら、指の間、爪、手首、親指のまわりをしっかり20秒以上かけて丁寧に洗いましょう。

    泡のハンドソープは泡立てが不要です。手指にやさしく手荒れを防いでくれます。

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  • 手が触れる箇所(ドアノブ、引き出しの取っ手、電源スイッチなど)は定期的な除菌・消毒を

    ご家庭でよく触れる箇所を挙げるとキリがありません。ドアノブ、引き出しの取っ手、電源スイッチ、テレビのリモコン、家具・・・ありとあらゆるものが感染経路となります。

    拭き取りのアルコール不織布のクロス、サッとふきかけるアルコール除菌・抗菌スプレーもありますが、触るたびにウィルスを拭き取るのは大変です。

    日本古来の漆喰(しっくい)に含まれる消石灰がウィルスを不活性化する研究が発表され、漆喰をコートした感染対策品が商品化されています。

    ハルスタッコの抗菌・抗ウィルス効果の持続期間は、貼り付けてから6ヶ月。さらに、半年間メンテナンスが不要です。例えば衣替えの時期に手すりのテープも併せて貼り替えると、忘れずにメンテナンスができます。

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  • 換気の徹底

    飛沫感染防止は、まず「咳エチケット」。手で覆うのではなく、ハンカチや衣類で覆うようにして空気中に飛沫が飛ばないように心がけましょう。

    この粒子は乾燥していたり、空気の入れ替えができない換気の悪い状態では空気中にずっと漂ったままになるため、密を避け、窓の開け閉め、空気清浄機を用いるなどして、日頃からの換気を徹底しましょう。

  • 歯磨きは飛沫が飛びやすいので、距離をとって行う

    公共のトイレでは飛沫防止のために、手洗い後のジェット乾燥機の使用中止が続いています。

    手洗い後の水しぶき以上に、歯磨きやうがいをした時も、知らず知らずのうちに飛沫が飛んでいます。ご家族で歯磨きする場合は順番で洗面所を使うか、距離をとって行うようにしましょう。

  • 洗濯物やタオルは常に清潔に保つように

    家庭内でつい使いまわしてしまいやすいタオル類(バスタオル、フェイスタオル、手拭きタオルなど)は家族1枚毎にしましょう。手洗いは頻繁なので洗面所やキッチンでは使い捨てのペーパータオルが衛生的です。

もし家庭内で感染の疑いが出た場合

オミクロン株は感染スピードが速く、感染者数がどんどん増えています。そして発症しても重症化のリスクが少ないため、緊急入院以外は自宅療養がほとんどのようです。

一人暮らしであれば人と接する機会がありませんが、家族と同居の場合、小さなお子様や通園通学されている方がいると、感染が広がりやすく、ご年配の方、在宅治療されている方がいつ重症になってもおかしくありません。

このような家庭内感染を防ぐためにも、感染した人/看病する人、家族全員でより一層の対策が必要です。

看病する人は、すべての感染経路(接触感染・飛沫感染・エアロゾル感染)から身を守らなければなりません。

看病する人は接触リスクを減らすために極力1名とし、常にマスクや手袋を着用してください。マスクはウレタンや布マスクよりも、不織布のサージカルマスクをお使いください。

また個人用の対策キットもあるので、療養日数分を用意することをおすすめします。

ファーストレイト 感染予防対策キット FR-360
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感染した場合、または感染の疑いがある場合は、下記を心がけてください。なお厚生労働省、自治体や保健所からの指示がある場合は、それに従ってください。

  • 自宅療養また待機中は、不要不急の外出はしないように。必要な物があればご家族の方に買ってきてもらうか、ネットショッピングを利用しましょう。
  • 使用したティッシュやマスクなどは、ビニール袋に入れてしっかり袋の口をしばってから、部屋から出すようにする。
  • 療養/待機中にお手洗いや入浴などで部屋から出る時は、手をアルコールで消毒しマスクをする。
    看病する方もこまめな手洗いとうがい、消毒を心がける。新型コロナウィルスに感染して気が張っていたり、落ち込んだりすることもあります。
  • 同居のご家族がいる場合は生活空間を分けるようにする。感染している人とは2メートル以上距離を保つように推奨されています。
  • 部屋の窓を常時5~10cm開けて換気してください。
  • 食事にはなるべく使い捨て食器を使う。食事が終わったらビニール袋に入れて、しっかりしばってから処分する。
  • お風呂の順番は一番最後。使用後は浴室の内部をシャワーで洗い流して、窓を開けるか換気扇で換気を行う。
  • 症状が悪化しても入院ができない場合は、パルスオキシメーターで日々の酸素飽和濃度を確認する。自治体から支給される場合はそちらをご使用ください。
    日本精密測器パルスフィットBO650
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感染者の症状がよくなってから14日間経過するまでは、日々の体温測定や咳の有無など、健康状態を確認してください。

職場や学校に行く時など、外出する際はマスクを着用し、こまめに手を洗ってください。

新型コロナウィルスの変異株の出現や感染者数増加により、医療現場がひっ迫しています。学業、経済活動にも大きく影響を及ぼしています。

ご自身と大切なご家族を守るためにも、「マスク」「手洗い」「換気」「三密回避」の基本を、日常に取り入れるようにしてください。

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