2020年に新型コロナウィルス感染症が拡大してから、2年が過ぎようとしています。一時は学校や保育園が休校(休園)し、部活動、修学旅行や遠足、運動会や授業参観などを自粛するケースがありました。
その後、オミクロン株による第6波では、コロナの特性を理解した上で、制限はありますが徐々に学校や園の行事が再開され始めました。
しかし、子供は感染しても重症化のリスクが低く、自覚症状がないまま感染を広げてしまう可能性があるため、しっかり対策を行うことが大切です。
新型コロナウィルス感染症には、老若男女問わず感染します。子供の多くは家庭内で両親や兄弟などの同居している人か、学校や幼稚園、保育園のような集団から感染するケースがほとんどです。 家庭内では、家族みながマスクを外していることが多くあります。さらに、マスク着用を義務付けする施設があっても、小さなお子様がマスクを着用するのは息苦しさを感じ、つい鼻出しマスクになりがちです。 こうした背景も踏まえて、2022年2月15日厚生労働省は、就学前の子供のマスク着用について見解を出しています。 乳幼児(小学校に上がる前の年齢)のマスクの着用には注意が必要です。 特に、2歳未満では、着用は推奨されません。息苦しさや体調不良を訴えることや、自分で外すことが困難であることから、窒息や熱中症のリスクが高まるためです。 また、2歳以上の場合でも、マスクを着用する場合は、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意した上で着用してください。 本人の調子が悪かったり、持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理して着用させる必要はありません。マスクは適切に着用しないと効果が十分に発揮されません。 (WHOは5歳以下の子どもへのマスクの着用は必ずしも必要ないとしています。) 乳幼児の場合、感染の予防は、保護者とともに3密(密閉、密集、密接)を避け、人との距離の確保(フィジカル・ディスタンス)、手洗いなど、他の感染防止策にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 厚生労働省が発表している「データからわかる-新型コロナウィルス感染症情報-」によると、2022年3月15日時点の陽性者数5,842,754人に対し、年齢別感染者数の10歳未満の感染者数は696,051人で全体の約12%、10~19歳の感染者数は744,844人で全体の13%と、19歳までの未成年は全感染者数の約25%に相当しています。 去年5月時点では未成年の感染者数の割合は全体の約10.1%※であったので、増加傾向にあることがわかります。子供の感染リスクと感染状況について
新型コロナウィルスに関するQ&A
問10 就学前の子どものマスクの着用について、どのようにしたらいいですか。
5~11歳の子供に対してもワクチン接種が始まりました。 ※接種については、成人のような「接種勧奨」「努力義務」ではありませんが、小児であっても基礎疾患によっては中等症や重症化する例が確認されています。 またデルタ株、オミクロン株のような新たな変異株や、その変異種が感染拡大を引き起こす可能性があることから、小児もワクチン接種の対象となりました。 しかし、子供に接種した場合のワクチンの効果はもちろん、大人と同様に副反応に対して心配はつきものです。 子供が接種するのはファイザー社のワクチンで、中和抗体価の上昇や発症予防効果が確認されています※ もちろん、ワクチンを接種したからといって、感染しない・感染させないことはないので、引き続きマスクや手洗い、密回避といった感染対策は大人と同様に必須です。 副反応は12歳以上と同様に、接種した腕の痛み、頭痛や発熱、倦怠感が生じることがあると確認されています。しかし、ほとんどが軽症、中等で回復する傾向だそうです。※ 人の移動が増える季節、年度始まりや行楽シーズンに向けて、お子様のワクチン接種を検討される保護者もいらっしゃると思います。 日本小児学会が発表している5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方をご覧になり、かかりつけ医に相談するなどして、ご判断ください。子供のワクチン接種について
ワクチン効果
副反応
たとえ感染対策をしても、ワクチン接種が済んでいても、感染する可能性はゼロではありません。ここではもし感染した時の対応についてご紹介します。 ただし、こちらで紹介するのはあくまでも一例です。感染が確認できた場合、もしくは濃厚接触の可能性がある場合、お住まいの自治体や保健所の指示に従うようにしてください。 子供が陽性になった場合、状況に応じて療養施設を利用することも可能ですが、お子様一人での療養が心配な場合は、症状によっては自宅療養を認める自治体もあるようです。 その際はお世話する家族の方は最小限にし、お世話する本人が感染しない、また周囲に感染を広げないように対応してください。ただしお子様の意識がはっきりしない、顔色が悪い、高熱、息苦しそう・・・等の症状がある場合は、速やかに管轄の保健所や医師に相談してください。 ご家族が陽性になった場合、まず陽性になった方の状況や養育環境について保健所が確認することがあります。 療養される保護者の方が療養宿泊施設に入っている間、子供の世話が可能かどうか、近くにお世話ができる親族がいらっしゃるかどうかなど、聞かれることが多いので普段よりあらかじめ親族間で相談しておきます。 もし近くに親族がいない場合、自治体でお子様の生活場所について相談できる窓口にお尋ねするのも良いでしょう。ただでさえ陽性になった時は動揺しがちです、いざという時のためにも。 家族全員が陽性になった場合は、まず家族全員自宅療養が可能かどうか、保健所へ相談してください。自治体によっては家族で療養宿泊施設を利用するケースもありますが、部屋の数など限りがあるので、一人は療養施設、あとの家族は自宅で療養する可能性もあります。 いずれにせよ、全員が陽性や離れて療養するというのはショックと動揺が大きく、お子様の心因ストレスもはかりしれません。そうならないためにも、日頃より感染対策をしっかり行うことが大切です。もし感染したら
子供だけが陽性、家族は陰性
家族が陽性、子供だけが陰性
家族全員が陽性
校内の感染対策(換気や手洗い、給食時黙食の徹底など)は学校で行っていますが、それでも100%対策しきれないケースもあります。例えば体育の時間、給食の時間、遠足や修学旅行など、つい羽目を外したり、気分が高揚して鼻出しマスクにしてしまったりすることも。 子供(特に低学年)は大人よりも感染への意識が低く、そこまで徹底して対策をすることができないものです。マスクをしないからといって叱責するのではなく、苦にならない付け心地の良いマスクをさせます。また、常に手洗いを徹底することが必要です。 各自治体よりガイドラインが出ていますが、幼稚園や保育所でも「マスク(職員)・手洗い・定期的換気・手指消毒」は基本中の基本です。 登園時にきちんと熱を計測し、健康状態をチェックしてから園にお子様を預けるようにする、また送迎バスや共有するおもちゃ、クレヨンなどのお絵描き道具も、都度消毒が必要です。 手洗いをした後でも、マスクを強要できない子供は口回りに触れるなど、顔を触ることが大人より多く、知らず知らずのうちに感染が広がるケースが高いからです。消毒剤もアルコールではなく、口に入れても良い成分のものがおすすめです。 子供は指だけではなく、おもちゃやお昼寝のブランケットなどを口に入れてしまいがち・・・そこに常在する菌やウィルスで感染症のリスクが高まるので、成分を確認するようにしましょう。 ほとんどの都道府県でまん延防止措置が明け、お花見をはじめご家族で旅行やレジャーに出かける機会が増えそうです。 「せっかくこれまで我慢してきた分、楽しみたい!」という気持ちは大人子供ともあると思いますが、忘れてはいけないのが第6波です。 年末年始の人の移動により感染者数が増加し、いわゆるオミクロン株による第6波の二の舞にならないように、常に対策を心がけるようにしましょう。 また普段から学校や幼稚園、保育所から帰ったら、衣類やランドセル、カバン、帽子に付着しているかもしれない菌を落として、リビングに入る前には手洗いと消毒を徹底するようにしましょう。 これは大人も同様ですし、花粉症の方は花粉を持ち込まないようにするためにも効果的です。シチュエーション別の感染対策
小学校
幼稚園・保育所
ご家庭
世界的な感染症の広がりに対し、大人も子供もストレスははかりしれません。特に子供にとっては、家族以外のマスクの下の素顔を見る機会がどっと減ってしまい、相手の表情を見ることができなくなりました。 友達と遊ぶ時も、外出する機会が減ってしまったことで、自宅でパソコン、スマートフォン、タブレットでゲームや動画を見ることが増えました。視力低下や孤独を感じることも少なくありません。 もちろん大人が抱えるストレスでイライラを子供に見せる(子供への八つ当たりはご法度です)のは控えるように。 子供にストレスを与えないためにも、同じ目線にたちながら子供の気持ちに耳を傾けてください。一緒に音楽を聴く、自宅でストレッチや体を動かす、料理をするなどして、孤独を感じさせないように寄り添ってみてはいかがでしょうか。 下記のようなサイトもご参考ください。こころのケア
乳幼児(小学校に上がる前の年齢)のマスクの着用には注意が必要であり、2歳未満では推奨されません。 よく換気をし、親もお子様もこまめに手洗い、うがい、アルコール消毒をしましょう。よくある質問
子供にマスクは必要?
2歳以上の就学前の子どもについても、マスク着用を一律には求めていません。それ以外のお子様につきましては、他者との距離が確保できる場合、マスクを着用する必要はございません。
高齢の方と会う場合や病院に行く場合はマスク着用をしましょう。家庭内での子供の感染を防ぐには?
普段よく触れる場所、ドアノブやリモコン、お子様のおもちゃなども消毒しておくとよいでしょう。