普段から目を洗っていますか? 目を洗うきっかけは、疲れ目のリフレッシュや花粉、PM2.5やハウスダスト、コンタクトレンズなどによる不快感などです。洗浄液が入ったカップを目に当てて、頭を上げて目全体に洗浄液が浸すタイプは、よくCMやドラッグストアで見かけますが、洗顔や歯みがきのように毎日洗うことは少ないと思います。 「目まわりの皮膚は薄い」、「瞼(まぶた)の筋肉はお顔の他の部位に比べると衰えやすい」、「スマートフォンやパソコン、テレビのモニターを見る機会が増え、画面を見つめている時間が、1日のほとんどを占めて目が疲れやすい」、「メイク(化粧)によるダメージ」など様々な要素によって、目を酷使しているだけに、目まわりのケアは非常に重要にも関わらず、目を洗うことが日常化されていないのが現状です。 ちなみにエステサロンでは眼球エステというインドのアーユルヴェーダの施術があります。専用のバターオイルを目に浸すトリートメントですが、ちょっと勇気がいりますね。 では、なぜ目まわりを洗う機会が習慣化されないのでしょうか。 ・面倒くさい ・目が痛くなる(しみる) ・洗浄剤は目によくない ・洗い方がわからない ・コンタクトレンズの洗浄だけで十分 といった理由が挙げられるでしょう 洗顔時に泡や洗剤が目に少しでも入ってしまうと、ピリピリと目が開かないほど痛い思いを経験し、目を洗うことに抵抗感が出てしまうのかもしれません。 普段の洗顔で瞼や目じりに触れているので大丈夫だろうと思いがちですが、それだけではしっかり目まわりの汚れを落とすことはできません。 次に目の周りを洗わないと、どのようなトラブルが起きやすくなるか説明します。目まわりの洗浄習慣
新型コロナウィルス感染症の拡大により、飛沫感染予防にマスク着用が当たり前になりました。 そのおかげでコロナの感染対策だけではなく、風邪やインフルエンザ、花粉症は例年より少なくなっていますね。 ただしウィルス感染は、飛沫だけではありません。手にも雑菌やウィルスは付着しています。 例えば目のかゆみ、コンタクトレンズ装着、化粧(アイメイク)の時、ウィルスや菌が付着した手で顔をさわると、目が細菌やウィルス、花粉に晒されることに・・・。 目の表面にウィルスや汚れが付着すると結膜炎などの目の病気を引き起こします。結膜炎は悪化すると手術で切らないといけなくなるため、いかに目の周り(すなわち、瞼やまつ毛)を清潔にすることが大切なのか、理解できるでしょう。目まわりの感染対策
アイメイクとまつ育
コロナ禍の中でマスクをする機会が増え、在宅勤務で人前に出る機会が減ると、メイクが簡素になった分、アイメイクだけはしっかりする、という方も多いと思います。
InfoQが全国15~59歳女性2,000人を対象にしたアンケートによると、新型コロナウィルス感染症の影響でメイクの頻度が減った人が約6割もいました。
さらに部分別のメイクでは、アイメイクはベースメイクやリップと比べ濃いメイクを意識している人が多いこともわかりました。この1~2年でこんなに変化があるとは驚きますね。
一言でアイメイクといっても、ただ色を塗るだけの簡単なものではありません。
アイメイクは、「アイライン」、「アイシャドウ」、「アイブロウ」に加え、まつ毛のメイクも含まれます。まつ毛には、マスカラを付けたり、ビューラーで持ち上げたりすることに加え、「つけまつ毛」、「まつ毛パーマ」、「まつ毛のエクステ(まつエク)」など。アイメイクは、かなり大がかりであると同時に、まつ毛とその根元には、負担がかかっていることがわかります。
まつエクは、地まつ毛に人工のまつ毛を1本1本、グルーという接着剤で付けるエクステンションです。
ボリュームアップやカールで、目がぱっちり見えることで人気がありますが、地まつ毛が弱いとせっかく付けたまつ毛も取れやすくなります。まつエクをするなら地まつ毛を健やかに保つ(=まつ育)ことが大切ですね。
そしてメイクをしたら落とす=クレンジングを行います。目もと専用のクレンジング剤もある位なので、きちんとメイクや皮脂汚れを落とすことが大切なのです。
しかし、洗浄力の強いクレンジング剤でゴシゴシ洗うと、目の痛みだけではなく、地まつ毛やエクステで付けたまつ毛も取れやすくなります。目まわりのメイク落としが大切なのはわかっていながらも、しっかり落とせないのは悩ましいところです。
下の左写真のように、まつ毛の根本に汚れが溜まったままでは、健康的なまつ毛が生えにくくなってしまいます。美容液を塗布しても、汚れがあって意味がありません。
頭皮のスカルプケアと同様に、美容液成分の効果を高めるためにも地まつ毛の育毛も生え際は、しっかり汚れを落としてケアするようにしましょう。
まつ毛ダニについて
まつ毛ダニは顔ダニともよばれ、「デモデックス」というニキビダニの一種です。驚くことに成人の約半数、60歳以上では約7割に生息していると言われています。※
ダニと聞くだけで不快な気持ちになりますが、それがまつ毛や目のまわりに棲みついていると思うとゾッとします。
成人の約半数が生息しているとなると、他人事とは思えませんね。ダニは目に見えず、なかなか自覚症状があらわれないようですが、目のかゆみやまつ毛にフケのような白い粉が見られると、注意が必要です。
まつ毛ダニはアイメイクをする女性に多いようです。もちろん男性も目の周りは、汗の皮脂で汚れやすくなり、湿気のある梅雨~夏は繁殖しやすいため、清潔に保つようにしましょう。
※引用:成人の約半数に「まつ毛ダニ」秋冬も注意・目が疲れた 上記のような目に不快な症状が2つ以上でもあると「ドライアイ」かもしれません。 ドライアイの原因は、スマホや液晶モニターの見過ぎだけではなく、食生活やストレス、夜型生活(=自然の光を見る機会が減る)、加齢、運動不足、コンタクトレンズの使用頻度増加、冷暖房エアコンによる乾燥など、原因は様々です。 目が疲れたら目薬をさす、マッサージ、遠くを見る、夜寝る前にホットタオルや専用の温めるアイマスクで目を休ませることはあると思いますが、根本的な原因を理解して解消するのが重要です。 では、ドライアイの原因はどこからくるのでしょうか?ドライアイは「目から出る涙の質と量」に影響します。一つは涙の量が減ること、もう一つは涙の質の低下です。涙は、水分以外の涙の成分である脂質やたんぱく質が減ると、涙がサラサラして目の表面で滞留せず、乾燥してしまう状態に。 これが涙の質の低下です。涙は悲しい時、嬉しい時、大笑いしたと時、あくびをした時、玉ねぎをカットした時にただ流れてくると思われがちですが、実は涙は、様々な役割があるので、涙の質が低下すると目に影響が出てしまいます。 ・目に付着した汚れや老廃物を洗い流す 涙の成分の分泌異常により、ドライアイを引き起こすので、市販の目薬で一時的に潤すのも良いのですが、目に異常を感じたら眼科医に相談することをおすすめします。涙の質が低下?ドライアイの原因と症状
・目がショボショボする
・目が乾いている
・目が赤い
・目がゴロゴロする
・目がかすむ
・目がヒリヒリする
・目が痛い
・目ヤニが出る
・まぶしく感じる
・かすんで見える
・目の表面の乾燥を防ぐ
・目に酸素を運ぶ
・殺菌作用など
涙とマイボーム腺
あまり耳にしたことがない方が多いと思いますが、「マイボーム腺」はまつ毛の生え際よりさらに内側の際の部分にある皮脂腺で、涙の油分を分泌しています。
このマイボーム腺で油分の生成が低下すると、涙の質が低下しドライアイの原因になります。
最近のドライアイの80%が、このマイボーム腺の油分分泌機能の低下が原因とされており※、マイボーム腺がある目まわりを清潔にしていないと、脂や汚れが詰まって、涙に含まれる油分の分泌機能が低下しやすくなります。アイメイク(特にアイライン)もクレンジングでしっかり落とさないといけません。
分泌機能低下がひどくなると、マイボーム腺機能不全という目の病気に罹り、眼科医による治療が必要になる場合も。
ドライアイの予防だけではなく、まつ育も兼ねた健やかな地まつ毛のためにも、マイボーム腺をしっかり清潔にすることが大切です。
眼瞼(がんけん)は図のとおり、眼球と上下の境界にあります。 眼瞼は常に様々な菌やウィルス、化学物質に晒されているので、衛生に保つ眼瞼清拭(=がんけんせいしき、リッドハイジーン)が、目の健康に役立つと眼科医の中で広まっています。 瞼だけではなく、下の写真の赤い点線で囲んだ部分を洗うようにしましょう。 眼瞼清拭が必要であることを理解できても、実際どのように洗えば良いのでしょうか。 洗浄力が高いと眼球への負担が増え、目が痛くなるようでは長続きしません。そこで最近では目への刺激を抑え保湿成分を配合したジェル状の洗浄剤が、眼科クリニックや調剤薬局で販売されています。 ジェル状だと泡立ちがなく、マッサージをするようにクルクルとやさしく汚れを落とせるようになるので、眼にも地まつ毛にもやさしく、さらに点眼薬や塗り薬の効果を高めることも期待できます。 眼科クリニックやドクターが患者さんにすすめている洗浄剤(アイシャンプー)は安心して使用できますね。 毎日の手洗い、洗顔、歯みがきに、プラス眼瞼清拭(リッドハイジーン)。目の健康のために取り入れてみませんか?アイシャンプーでしっかり目もとケア
まつ毛や目もと、目周りをキレイにできます(リッドハイジーン)。皮脂やメイク汚れ、菌を落とすことで目周りを清潔にし、まつ毛ダニの発生を抑えたり目の渇き、ドライアイなどに効果を発揮することも期待されます。 一部眼科クリニックや薬局・コンタクトレンズショップ、オンラインショップでもお買い求めいただけます。よくある質問
アイシャンプーの効果は?
まつ育のしやすい環境づくりにすることも可能です。アイシャンプーはどこで手に入る?