【巻き爪】原因と治療・予防ケアについて

目次

足の爪トラブルについて

足のトラブルといえば「外反母趾(がいはんぼし)」「扁平足(へんぺいそく)」「水虫」がよく挙げられますよね。実は、足の爪にもトラブルが多くあります。
手の指と違って、普段から目にする機会が少ない足の爪。どんなトラブルがあるのでしょうか。

まず、手と足の爪の違いを解説します。手と足の爪では、伸びる速度が違います。
手の爪は1日0.1mm、1か月で3mmに対し、足の爪は1日0.05mm、1か月に1.5mmと言われています。もちろん、年齢や個人、季節により異なりますが、それだけ伸びるのが遅い足の爪を切る機会は手よりも少なく、爪の状態をよく見ることも少ないのではないでしょうか。
そのため、足の爪の痛みや違和感があった時にはじめて、足の爪トラブルに気が付くかもしれません。
では、爪に現れるトラブルの一例を紹介します。

足の巻き爪

 

・爪白癬(つめはくせん):カビの一種である白癬菌(水虫菌)に感染し、爪の色が白濁したり、厚みで爪が変形したりします。

・グリーンネイル:緑膿菌の繁殖により爪が緑色になります。緑色はカビではなく緑膿菌が産出する緑色の排出物です。ネイルのケア不足や、爪白癬から広がることも。(緑膿菌は常在菌で、毒性はありません)

・巻き爪:爪の両端が内側に巻きこんでいる状態。爪の下や周りの皮膚を傷つけやすくなります。

・陥入爪(かんにゅうそう):爪の両端が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こした状態。

ここでは足の爪のトラブルで多い巻き爪について、詳しくご紹介します。

巻き爪と陥入爪との違い

爪の両端を見ると決して平らではなく、丸く内側に向かってアーチ型に伸びているのがわかります。爪の内側に向かって巻く力がかかっていることに対し、歩くことによって地面からも爪に圧力がかかることで、爪が広がってきます。
しかし靴や歩き方によっては圧力がかかりにくく、爪が広がりづらくなり、巻き爪の原因に繋がります。

巻き爪になりやすい方や歩き方は以下の通りです。

・パンプスのような先端が細い靴やサイズが合わない靴を履くと、爪を広げる力が弱くなります。

・お年寄りや寝たきりの人は、歩く機会そのものが減ったり、足指の踏んばりが効かくなったりして、地面からの圧がかかりにくくなります。

・外反母趾のような足の変形も足の親指に力がかかりにくいです。

さらに、誤った爪の切り方は巻き爪の原因になります。自分で足の爪を切る時は手の指と違って近くで見ることができません。そのため、ついつい深く切りすぎて深爪になると、地面からの圧もかかりにくくなります。

足の爪切り

爪の状態や爪切りの刃のサイズによっては、まっすぐカットできずガタガタになることもあるので、よく足の爪を観察しながら爪切りすることが重要です。

ところで、「巻き爪」と「陥入爪」の違いはご存知ですか? 巻き爪は爪が内側に巻き込まれている状態に対し、陥入爪は爪がまわりの皮膚に入り込んで、炎症を起こし痛みを伴います。足の爪に変形や痛みを感じたら、まずは皮膚科を受診しましょう。

爪が巻いていて痛い。皮膚に巻き込んでいない 巻き爪
爪が巻いているようだが、痛みはない 巻き爪
爪は巻かれていないが皮膚に刺さって炎症を起こしている 陥入爪
爪が巻いていて皮膚に刺さって炎症を起こしている 巻き爪と陥入爪の両方

特に「爪が巻いていて皮膚に刺さって炎症を起こしている」状態を放置すると、どんどん皮膚に爪が食い込んでいってしまうため注意が必要です。

お風呂に入る前、ご自身の足の爪をよくご覧ください。痛みはなくても爪の変形があるようでしたら、放っておくと陥入爪となって歩行が辛くなる場合もあるので、早めの受診をおすすめします。

巻き爪の治療・予防ケア

巻き爪を予防するには、どのようなケアをすればよいでしょうか。上述したようにまず足の爪をよく観察すること、また足に合った靴を選ぶことも大切です。
毎日実践できることといえば、何より足を清潔に保つこと。お風呂では、指の間や爪の周りは丁寧に洗いましょう。

足洗い

さらに保湿も大切です。乾燥したままでは足の踵も硬くなりやすくなります。固くなった踵がひび割れてしまうと、正しい姿勢で歩行できなくなり足の爪にも影響が出てしまうことも。
「清潔に保ち、しっかり保湿すること」は身体中どの部位も基本中の基本といえます。

次に爪切りです。上述のとおり、深爪やガタガタした切り方は巻き爪の原因になりますが、どのようにすればまっすぐ切れるのでしょうか。
正しい切り方は、まっすぐ切って角を少し取る「スクエアオフ」です。スクエア=角、オフ=取る、角が取れたような切り方です。
まず爪をまっすぐ切り、両端は少しだけカットしてください。最後はやすりで整えれば終わりです。なお、爪切りは爪が柔らかくなっているお風呂上りの方がおすすめです。

爪の切り方比較

「お風呂でしっかり洗浄→爪切り→やすりで整える→最後に保湿」。爪切りは1か月に1回程度で良いので、月一度のケアタイムを設けて、実践してみてください。

その他に巻き爪の予防法として代表的なものは、テーピングとコットン法です。
テーピング法は、爪がくい込んだ皮膚にテープを貼り付ける方法です。
くい込みが緩和される方向に皮膚をテープを引っ張ることで、皮膚を引き下げられます。その後、テープを指に巻き付けることで固定する、という方法です。
コットン法(コットンパッキング)はピンセットでコットンを摘み取り、ゆっくり爪の両端の巻いている部分に押し込みます。コットンが取れそうであれば、絆創膏などで固定してください。

毎日テープやコットンでケアするのは面倒かもしれませんが、比較的安価でケアできます。
ただし、重度の巻き爪や陥入爪になった場合、皮膚科などの病院で治療を受けることも視野に入れましょう。皮膚科で医師と相談することになりますが、病院での治療は保険適用と保険適用外の自由診療のものがあります。
保険適用は「フェノール法」という手術、適用外は「BSブレイス法」というドイツの巻き爪矯正法や、「ワイヤー法」、「VHO式矯正法」が挙げられます。
費用は病院や症状により異なります。例えば、フェノール法は3割負担で7,000円前後(1割負担の場合は2,500円前後)ですので、比較的安価です。
一方、ワイヤー矯正はワイヤー代(4,000円前後)や取り外しの費用がかかります。(なお初診料や再診料が別途かかる場合があり)

症状がひどくなった場合は矯正や手術で治療方法があるものの、できるだけ医者にかからず予防したいものです。
普段から足の爪をよく観察し、清潔にし、そして正しく爪を切るように、心がけましょう。

よくある質問

巻き爪の原因は?

爪の両端は内側に巻き込む力を持っているので、爪の切り方(深爪)や、間違った歩き方、履く靴の種類により爪に正しい圧力が加わらなくなることで起きます。

巻き爪を放っておくとどうなりますか?

爪がどんどん内側に巻き込まれ、爪の下や周りの皮膚を傷つける恐れがあります。皮膚が傷つくと細菌感染し、赤く腫れや痛みを伴います。

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