【低GI食品やロカボとは?】糖質を制限して緩やかな健康生活を目指す

目次

糖質~糖質と糖類の違い

ダイエットの話題で、「低糖質」や「糖類制限」といった言葉が出てきます。
「糖=甘い」というイメージが浮かびますが、糖質と糖類の違いは何か、糖類はどのような成分でどんな食品に含まれているのか、ご存知でしょうか。

まずは、栄養素についてお伝えしていきます。3大栄養素といえば、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」。
「たんぱく質」は筋肉や内臓などを生成する栄養で、魚、肉、豆類、卵に含まれています。
「脂質」はエネルギーの元となり、細胞膜やホルモンの構成成分でもある栄養で、脂身やバターに含まれます。
「炭水化物」は体や脳にとって重要なエネルギー源で、米、穀物、イモ類に含まれています。もちろん、これら3種類の栄養素はバランスよく摂ることが重要です。

3大栄養素

人のエネルギー源となる炭水化物は、さらに糖質と食物繊維で構成されます。

炭水化物表

ここで覚えておきたいのが、糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものである、ということです。

糖質=炭水化物-食物繊維

食物繊維は、体内で吸収できません。ほとんどエネルギー源とならない代わりに、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの排泄を助けたりなどの働きをします。
また、腸内環境を整えるという効果もあります。そのため、便秘になったら食物繊維を含む食品(納豆、さつまいも、こんにゃく、ごぼう、寒天など)を摂ると良いといわれているのです。

食物繊維とは逆に、糖質は体内で吸収・消化されます。糖質は、さらに多糖類や糖アルコール、糖類で構成されています。つまり、糖類は糖質から多糖類や糖アルコールなどを除いたもの、ということになります。

糖類=糖質-多糖類や糖アルコール

糖類は、さらに単糖類と二糖類に分類されます。
単糖類はこれ以上分解されない糖類で、代表的なものがブドウ糖、果糖です。
二糖類は2つの単糖類が結合したもので、代表的なものとして、ショ糖や乳糖などがあります。
多糖類の例としては、でんぷん。また、糖アルコールはソルビトール、キシリトール、還元水飴などといった甘味料の一種です(アルコールといってもお酒ではありません)。
炭水化物といっても、細かく分類すると様々な糖から成り立っていることが、下記の表からわかるでしょう。

炭水化物 糖質 糖類 単糖類 ブドウ糖、果糖
二糖類 ショ糖、乳糖、麦芽糖
少糖類 オリゴ糖
多糖類 でんぷん
糖アルコール キシリトール
その他 アスパルテーム、ステビア
食物繊維 セルロース、ペクチン

ここで改めてまとめますと、「糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもの」。糖質は、エネルギー源として体内で吸収されますが、食物繊維は吸収されません。
糖質は、さらに糖類(単糖類・二糖類)とその他多糖類・糖アルコール等に分類されます。糖類も糖質と同じくエネルギー源となりますが、食事の後、血糖値が上がるのはこの糖類の摂取に影響しています。
糖質と糖類、名前は似ていますが、成分や糖の構造が異なります。

炭水化物>糖類>糖質

という順に覚えておくとよいでしょう。

糖質の摂取過剰

食べ物を食べている女性

糖質を摂りすぎると、肥満や糖尿病のリスクが高まります。必要とするエネルギー源を超え、糖質を過剰に取り込んでしまうと、体内に脂肪として蓄積してしまうのが原因です。
一方、糖質制限というキーワードを耳にするとつい「炭水化物であるお米やラーメン、パンを制限する」、ということを想像しがちです。
しかし炭水化物はエネルギーとして必要な成分なので、制限しすぎると集中力低下や代謝の悪化などを引き起こします。逆に、体へ悪影響を与えてしまうので、むやみやたらに制限するのは危険です。
さらに、炭水化物を過剰制限したところに、急激に短時間で糖質を大量に摂取すると「血糖値スパイク」が起こります。

血糖値の推移グラフ

参照:社会福祉法人恩賜財団済生会 血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!

血糖値スパイクが継続すると、血糖値の高低差が激しくなり、血管に支障をきたします。
そして、老化の進行や肥満、糖尿病のリスクが高くなり、認知症を発症しやすくなります。
血糖値スパイクの予防は、食事と運動です。食事はゆっくり噛んで食べるようにしながら、なるべく血糖値をあげにくい「食品低GI食品(GI= Glycemic Indexグリセミック・インデックス)」を選びましょう。GIとは、食後摂取2時間までの血糖値の上昇を示す数値です。
2003年には、「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを、低GI食品が低減させる可能性がある」とWHOが発表しました。
糖質制限だからといって単に炭水化物だけを制限するのではなく、並行して低GI値食品を摂取することが重要です。では低GI食品とはどんな食品なのでしょうか?

低GI食品

低GI食品

低GI食品の代表的なものは玄米、ライ麦、押麦のような雑穀、そば、全粒粉、キノコ類、豆類、海藻類、乳製品などです。精米よりも玄米、うどんよりそば、小麦より全粒粉。これらは精製する過程で食物繊維やビタミン、ミネラルが失われているのです。
色の傾向を見ると、栄養素があるのは「白より茶色」ですね。
玄米の歯ごたえは好き嫌いがあるのと、白米よりも甘味はありません。また水に浸す時間が長く炊飯の手間はかかるので、苦手だという方もいるでしょう。ただ、玄米には体に良い成分が含まれています。
最近では白米と一緒に炊くだけの小分けになった雑穀米ミックスも見かけるので、積極的に取り入れてみましょう。しかし、「白より茶」だけが先行してしまうと、つい食べすぎてしまいがち。あくまでも適量が大切です。

一般的なGI値の基準
GI値70以上 高GI値 白米、餅、うどん、食パン(小麦)、長芋、はちみつ
GI値69~56 中GI値 玄米、ライ麦パン、じゃがいも、かぼちゃ、ぶどう
GI値55以下 低GI値 そば、押麦、全粒粉パン、カリフラワー、ナッツ、こんにゃく

なお、日本で唯一GI値(ダーク味が26)が確定しているチョコレートがあります。(2017年3月現在)
血糖値が気になる方、ダイエット中の方に人気です。

マザーレンカ ドクターズチョコレート ノンシュガー
マザーレンカ ドクターズチョコレート ノンシュガー

ロカボとは?

最近、コンビニエンスストアやスーパーで「ロカボマーク」を目にするようになりました。
「ロカボマーク」は一般社団法人 食・楽・健康協会の登録商標で、極端な糖質抜きではなく、おいしく楽しく適正糖質を取ることを推奨しています。※

ロカボロゴ

※参照:ロカボオフィシャルサイト

このロカボマークがある食品を摂取することで、「おいしく楽しく適正糖質」の摂取を目指せます。協会は糖質の摂取量に関し、1食20-40g、デザートは10g以下、1日70-130gに抑えることを推奨しています。
例えば、同じケーキでも小麦粉や生クリーム、砂糖をたっぷり使った普通のケーキと、低GI食品の全粒粉やそば粉、甘味料に黒糖やバナナなど使った低糖質ケーキでは、食後の血糖値の上がり方が異なります。
普通のケーキは急激に血糖値が上がりますが、低GI食品を使った低糖質ケーキは時間をかけてゆるやかに血糖値が上がります。もちろんダイエット効果だけではなく、生活習慣病予防にもつながるので、積極的にロカボマークがついた食品を取り入れることをおすすめします。
ロカボは、決して糖質を制限するためのものではありません。あくまでも、1日の糖質の摂取量を適正に、かつバランス良く摂取する手助けを行う食品なので、店頭で見かけたら、どれくらいの糖質が含まれているのかご自身で確認してみてください。意識するだけでも、健康の第一歩になるでしょう。

ロカボの代表として、小袋のミックスナッツをよく目にすると思います。ナッツはくるみ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどがミックスされています。ロカボのミックスナッツと比べ、お酒のおつまみとして売られているミックスナッツと異なるのが、加工方法です。
ロカボのミックスナッツは素揚げであるのに対し、ロカボでないミックスナッツは塩で味付けしたり、油で揚げたりしています。
そのため、お酒のおつまみ用であるミックスナッツは、塩分やカロリー過多になる可能性があるので、注意が必要です。

ミックスナッツ

とはいえ、いつも素焼きのナッツでは味気なく感じることも。
そこで、ロカボマーク入りの低糖質スイートナッツがおすすめです。

「糖類ゼロ」「糖質ひかえめ」「ロカボ」といった言葉が先行して、どんな食品をどのくらいの量を摂取してよいのかわからなくなりがちです。
改めてご自身の食生活を振り返り、コンビニエンスストアなどの店頭で、ロカボマークや栄養成分表示を確認してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ロカボとは?

食・楽・健康協会が提唱している適正糖質の事(1食あたりの糖質摂取量を20~40g)。
無理のない糖質制限でダイエットや血圧、血糖値の改善が期待できます。

GI値とは?

GIはGlycemic Indexの略で、食後の血糖値の上昇度を表したもの。
普段の食事に低GI食品を取り入れることで、糖質の吸収・血糖値の上昇は緩やかになります。
低GI食品を取り入れた正しい食事を続けることで生活習慣病の予防・改善にもつながります。

フォーム

このページのURLをコピー

一般の最新コラム
一般のコラム一覧